第87話

トタトタと階段を降りる音が聞こえる。




「克穂っ…!こんな所にいらしたのっ?!あたくし寮まで帰っていましたわっ……っところで千亜稀ちゃんは???…というか何ですの?そのお顔…」




マミヤは一気にそう吐き出して、克穂の顔をまじまじと見た。




「…何って何?」



「お顔が…」


(あの頃に戻っていますわ…)




マミヤは片方の手を組み、もう片方の手を口元に添えて、克穂を見つめる。




「…千亜稀ならアイツと仲良くしてるよ」




克穂はフッと左手を上げて、マミヤの額をコツンと叩いた。




「だっ…だからキチンと伝えるべきですわ!言わずにいた罰です。克穂が言わないならこのあたくしが…!」


「!!!」





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