第54話

…?



「何この味」



「…バーカ、いくらなんでもここに媚薬はないっての!」



王子が蓋を締めながら、呆れたため息を漏らした。



「それデンプン。味がするってことは腐ってるんじゃねぇ?」



あたしは首を傾げながら唇を触っていたが、王子のその言葉に全てがフリーズする。



「なぁっ!!怒」



あたしはポカポカと王子の背中を叩いた。



「バカバカバカバカァ!!!」



「っててι何だよ、その気だったくせに」



「そうじゃないもん~~~!!舐めないともっとヒドイことになると思ったんだもん~~~!!!」



真っ赤に腫れ上がった顔であたしは王子を隅に追いやる。



ヒドイヒドイヒドイ!!



こんなイジワルひどいよぉ!!!!



ポカポカがボカボカに変わり、ボカボカがバシバシに変わり…


恥ずかしさのあまり、目尻からじわりを涙が顔を出していた。

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