第51話

ゾクリと背筋が凍って、「神様神様神様」と心の中で救済の手を求める。




ふわり




あたしの肩に、きつねか猫か何かの尻尾と思われるものが落ちてきた。




ぎゃーーーーー!!!

↑声になっていない




あたしはびっくりしすぎて腰を抜かす。



床にへばりついてガクガクと膝を震わせた。



「…さすが千亜稀」



そこには毛皮を片手に、微笑む王子が参上する。



「っっっ!?!?」



声にならない声のあたしを他所に、王子は一番上の棚にその毛皮を戻した。




「…ここ、すんげーマニアックだと思わねぇ?うわっ人間の神経がホルマリン漬けにされてるよ」




そう言ってあたしの首をグキッと鳴らし、真横にある瓶に入った真っ赤な筋たちをあたしに見せる。




×☆○&Å%#!?!?




「ってネズミだけど」




白目を剥いて泡を吐きかけているあたしに、王子は必殺悩殺スマイルをお見舞いしてくれた。




もちろん、あたしはノックダウン寸前。




.

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