第49話

「…ちゃん!それ違うってば!」



「「あ~~~~!!!」」



「っへ!?」



あたしはその大きな叫び声に、パチクリと瞳を開いた。



「千亜稀ちゃ~ん、しっかりしてよ~ιこれ終わらないと居残りらしいから~」



男女2人ずつ。



教室の席がそのまま座席に変わって、斜め後ろの席の女の子があたしに言った。



「ごめっ…ちょっとボーってしてて」



「もぉ~」



唇の下にあるホクロをギュっと見せて、その子は唇を突き出しながら、粉末の薬品をせっせと袋に片付けている。



「ちょっと新地くんもなんか言ってよ~」



「…ん?


 

あほ」



あたしに向かってそう言って、またノートへ視線を戻した。



コイツはホントーーーにっ!


って



「新地くん?!」




あたしは顔を突き出して、不思議がる。



その子はそんなあたしに不審がって肩を引いた。



「…新地くんがどうした…?あ~ビビッたぁ~」

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