第48話

「うん、何かね幼馴染なんだって」



廊下から渡り廊下へと曲がって、あたしは答える。



「…幼馴染?」



「うん、年に何回かしか会わない幼馴染らしいよ」



マミヤちゃんは少しずつ速度を緩めていく。



「?」



マミヤちゃんの足が完全に止まり、あたしも立ち止まった。



振り返ると大きな瞳の間に、深いしわを寄せて立っている。



「…幼馴染、ですか」



ポツリと呟いた。



「え?」



「いえ」



マミヤちゃんは髪を揺らして駆け出した。



「チャイムが鳴ってしまいましたわ!」



チャイムの音色が二人の足をさらに加速させる。




あたしは、マミヤちゃんの発言に何故だか胸がざわついた。

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