第40話
ああ。
やっぱりコイツだ。
麻生くん。
いけ好かない顔が二つ。
一つは自分の顔でもあるんだけど…。
麻生くんは毎度のことで、ダルそうに頬杖をついていた。
眠たそうに欠伸をして、さも今の声は誰の声?という顔をしている。
「あのねぇ…」
あたしは寝不足のイライラも加えて麻生くんを見た。
「もっと優しいことは言えないの?そんなんじゃ女の子も寄ってこないよ?」
あたしは冷静にそう返す。
こういう奴には、大人的見解で返すのが一番だ。
その台詞に麻生くんは、ちらりとこちらを向いてため息を落とした。
「…バカな上に構想力も乏しいようだ」
言葉の一つ一つが逆鱗を掠める。
「なんか評論文みたいな言い方やめてよっ!何かあたしが本気でアホみたいじゃん!」
「本気、じゃなかったの?w」
コイツはホントに地雷を踏んでくれる。
「ムガーーー!!!怒」
あはは、と皮肉に笑う麻生くんの反対側で蜜ちゃんがなんとも不思議な表情を浮かべていた。
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