第17話

「千亜稀ちゃんのいいところは単純明快なところですわ」



マミヤちゃんは眉間のしわを伸ばしながらそう言った。



「・・・は?」



あたしはその言葉に耳を疑う。



「…あたくしにはラムは合いませんのね…」



マミヤちゃんはメニューボードに視線を上げてそう呟いた。



「は??」



あたしはもう一度、大きく顔をひくつかせる。



「今なんて言った?」



「ラムはあたくしには合いませんわ?」



「その前!!」



マミヤちゃんは「もぅっ」と口を突き出して椅子に座り直した。



「千亜稀ちゃんのいいところは猪なところなんです!バカ正直といいますか、思考回路が筋肉といいますか…」



さっきとは若干違うが、さっき以上の言葉を並べている。



「マーミーヤー・・・・」



腹の底から声を絞り出し、あたしはマミヤちゃんを今までにないくらい睨んだ。



「・・・ファイトッ♪その意気ですわ!!」



マミヤちゃんは嬉しそうに頬を染める。



「瞳の色が輝きを取り戻し始めていますっ」

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