第16話

「蜜ちゃんとの関係を聞いてみたらどうです?」



マミヤちゃんは真っすぐな瞳であたしを見る。



あたしは額を撫でながらマミヤちゃんに尋ねた。



「…例えば何て?」



アイスクリームは少々溶け気味で、コーンの筋をなぞって零れ落ちている。




「そこは千亜稀ちゃんが聞きたい事を素直に聞くべきですわ」



マミヤちゃんはニッコリと微笑んでスプーンをくわえた。




ん…


…そうだけど…

そうなんだけれども…



「何て聞いていいもんか分かんないんだよ~~っ

素直?素直なあたし?素直って何!?」



青ざめた顔で、あたしは頭を抱えた。




(…重症ですわ…

ラムレーズン?ラムレーズンってお酒入っていますの…?)



マミヤちゃんはあたしの手からアイスをひとすくいして口に運ぶ。



(……ι)



マミヤちゃんは口元を押さえて苦い顔をした。




端目の人達は、唸り声を上げて頭を抱える女と口元を押さえて眉間にしわの寄っているお嬢の意味不明な行動に視線を逸らしてしまいたくなったのだろう。




お陰で周りの席には誰も近づかなった。




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