第3話 美少女との通話やチャット。
家に帰宅し、入浴や着替えを済ませると浩介は自室へと向かう。
いつも通りパソコンを起動すると、チャットに一件の連絡が入っていた。浩介がネット上で利用しているチャットアプリである。彼はネット上では
<榎島 アカネ>ねーねー、通話できる~?
アカネからだった。浩介はさっそくチャットアプリで彼女に通話をかける。
~♪~!~♪ ~♪~!~♪
数回のコール音の後にピコンッ――と音がして、アカネのアイコンが表示される。アイコンはイラストレーターである彼女自身が描いた美少女の姿をしている。
(改めて見るとこのアイコン、リアルの朱音にそっくりだな……)
「もしも~し、通話ありがとねっ」
「こっちこそ、今日は入学式お疲れ様」
「うんっ、お疲れ様~! いや~高校で会うなんてほんとびっくりしたよ~」
それからしばらく2人は仲睦まじげに通話で会話を始める。
数十分ほどして、それぞれの作業に入るためお開きにすることにした。
「じゃあ、明日また学校でね。あっ、新曲のPV用のイラスト送っといたから確認しといて!」
「わかった、ありがとう! また明日」
通話を終えると、浩介はアカネから送られてきているファイルをダウンロードする。開くと、彼が今月公開予定のボカロ曲様に依頼したイラストがデスクトップに表示された。
「おぉ~!」
<霧谷 コウ>今回も曲にピッタリ合った期待以上のイラストだったよ! ありがとう!
興奮気味にチャットを送ると、すぐに返信が帰って来る。
<榎島 アカネ>えへへ、よかった~。新曲が上がるの楽しみにしてるね!
「いや~これは新曲をアップロードするのが楽しみだ」
浩介は入学式のときの憂鬱そうな表情とは打って変わって活き活きとしている。
ネット上での活動が充実しているというのはもちろんだが、明日またアカネとリアルで会えるという気持ちがプラスになっていることは間違えないだろう。
「そうだ、今日はコナツが配信をしてるはず……」
浩介はデスクの隣に設置されたもう一台のデスクトップにVTuberである朝日奈 コナツの配信をつける。
朝日奈 コナツは事務所所属のVTuberだ。コウ自身は個人勢としてVTuberをしているが、彼女とは繋がりがあるのだ。
過去には彼女にオリジナル曲を提供したこともある。
(うおっ、もう10時間近く配信してるじゃん! おかしいな、たしかコナツも今日は入学式だって聞いてたんだけど……俺の勘違いかな)
朝日奈 コナツは浩介と同じ年齢で、以前通話した時に同じ日に入学式だと話していた記憶があった。しかしこの様子だと今日はずっと配信をしていたことになる。
(もしかしたら夜間の学校とかなのかな?)
少し疑問に思いながらもコナツの配信を流しながら、先程アカネに送ってもらったイラストと新曲を編集していくことにした。
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