フミと白武(3)
その日は朝から小雨がしとしとと降り続けていた。北に見える山々にはぶ厚く暗い雲が覆い被さり、しばらくはこの雨が止まないことが分かる。東院の庭にある一本松が、雨露で寂しく濡れる。少し肌寒いぐらいの気温に、フミは羽織物を探し出して白武に差し出した。
「冷やすとお身体に障ります」
「ありがとう、もうすっかり爺になってしまった」
渡された羽織を肩に掛けながら、白武は思わず自嘲した。若いとは言えない自分の年齢に加え、この不自由な右足だ。冬になると寒さで古傷が痛み、歩みが更に鈍くなることをフミは知っていた。
「明日は晴れるといいな」
「そうですね」
フミは明日、この城内を出る。
使い童になって三年、ついに十五の歳を迎えたフミは、決まり通りにこの城を出ていかなければならないのだ。
このように立派に育った使い童を手放すことは痛手ではあるし、何よりも、この三年間でまるで親子のように親しいやり取りをしてきた仲であったから、胸には一抹の寂しさが過る。だが、ここを離れるからと言って一生の別れではない。フミの住む村は白武の管轄であるし、生まれ故郷でもある。戸籍録の引き渡しなどの仕事以外にも、秋の祭りや年始の挨拶などで度々訪れる。寂しさなど、きっと時間が経てば忘れるはずだ。
「もうこの廊下を、お前と二人で歩くこともないのか」
「寂しいですか」
「寂しいさ。寂しいけれど、今生の別れではないからな。きっと慣れるよ」
フミの最後の勤めが始まる。何も変わらない日常の有難さを噛みしめながら、白武は杖をつき、軋む廊下をゆっくりと歩いて行った。
それは、昼を過ぎた頃の出来事であった。
中央院の者が五名連なり、白武を尋ねてきたのである。
当然何の知らせもない。六の間の下官らは突然の来訪に慌てふためき、騒ぎを知った東院の他の人間は野次馬に群がり、障子の向こうでは大勢が聞き耳を立てた。いつもは静かな六の間が騒々しくなる。
中央院の者が来ること自体は珍しいことではない。そこは東西南北の取りまとめを行う、文字通り榮の国の中央としての役所なのだ。白武も東部の徴税の概算を提出するために赴いたこともあれば、その逆に徴税漏れの指摘で中央院の者が訪れたこともあった。
だが今回は、明らかに違う。
それは、今回訪れた士官らが、
「何かご用ですか」
白武は六の間にいた下官らを全て退室させると、訪れた中央の士官らと対面した。机上には、東部の地域の、新たに加えられた戸籍認めに署名する書類が残っていた。まるで目の前には誰もいないかのように、白武は五人の士官には目もくれず黙々と仕事をこなしていく。
「
そうなのだ。宮中行事で着用する白と黒の着物以外で、城内の人間が絶対に纏ってはならない着物の色がある。浅葱色だ。浅葱色の着物は、中央院の取締方だけに着用が認められている。
読んで字の如く、取締方は城内のありとあらゆる微罪から大罪までを摘発、取り締まり、裁く機関である。窃盗や喧嘩から色恋沙汰による痴情のもつれまで、城内で起きる全ての有象無象はここが管轄する。
通常、微罪であれば取締方は通常一人ないし二人しか赴かない。もしくは、中央院に呼び出される形である。
だが、白武の前に五人の取締方がいる。そして事前通知もなく訪れてきた。証拠隠滅を防ぐ目的だ。そして、訪れた取締方の数が多ければ多いほど、それは大罪を犯したことを意味する。
「困りますな、これでは仕事が進みません。この六の間はそちらとは違い、朝から夜までとにかく忙しいのです。用件は早めに言っていただけますか」
「白武
「そうですが」
白武は筆を持つ手を止めない。書面を確認しながら次々に署名を行う。
「この紙に見覚えはあるか」
白武の目の前に、とある書面が突き出される。白い紙には、とある村の徴税額が記され、その下に朱で『捨』と書かれてあった。
これは、書面に間違いがあった場合や破棄する場合に使われる墨で、流用や悪用を避ける目的がある。それは確かに、白武の管轄する村の徴税書であった。『捨』の筆跡も間違いなく白武のものであり、違うと言う方が無理である。
「それは私の間で扱う書面で間違いありません。ですが、それが何か」
視線を再び机上に戻す。その書類は税算に不備があり、朱を入れ破棄するように命じたものである。何も
だが取締方は、白武の返答に更に声色を険しくした。
「白武行成、お前はこの文字に心当たりはないか」
「はあ」
明らかな嫌悪感を滲ませ返答をすると、取締方は突き出した書面の裏側を見せた。
『空、海、山、虫、道』
それは、とても
だが、その少し上に小さく書かれた文字の筆跡に、白武は心当たりがあった。
『空、海、山、虫、道』
見本のように整然と書かれた流れるように美しい文字は、間違いなく白武の使い童、フミの字であった。だが、白武は一瞬の動揺すら悟られないように、毅然とした態度で受け答える。
「その書面は私のものでありますが、その裏の文字に見覚えはありません。今、私が署名している筆跡をご覧ください。全く似ていない」
「だが、上の文字はどうだ」
「貴殿方こそ良く見たほうが良い。
白武はやや強い口調でそう断言すると、筆を置いて顔を上げた。普段は優しい壮年の、力強い眼差しが取締方を射貫く。心中は大いに動揺していた。おそらく、フミが何かの騒ぎを起こした張本人だ。障子の向こうに佇むフミも、生きた心地がしないのだろう。
だが、使い童を守る責任が士官にはある。それ以前に、例えフミのやった事が罪の大小に関わらずとも、彼がやるからには、己の中の正義に基づいた行為であると信じているからだ。
「仮にその裏の文字が私のものだったとしましょう。書き損じの書面に、あなた達が揃いも揃って訪れる理由など無いはずでは」
「あるのだ」
「ならばその理由を告げる義務がある」
「今は言えぬ」
「今は言えぬと申されるのですか。濡れ衣を着せては理由もなく連行し、そして有無を言わせず斬首するのですか。総入れ替えされてからは、随分と手荒で粗雑で品の無い、全くもって知性の欠片も無い取締方となりましたな」
白武は障子の向こうに聞こえるように、大声で相手を罵った。ここまで怒りの感情を露にする白武を見るのは、フミを含め、六の間の下官、ひいては東院の全ての者が初めてであった。いつもは口煩い五の間の士官も、口をあんぐりと開けたまま塞がらない。いつも無表情で、愛想などない男。怒りも喜びも鉄仮面に覆われ、なんとも掴みづらい男。
「理由を言ってくださるのならば協力しましょう。言えないのならば、私共は仕事の続きがあるので、早々に退室願いたい」
取締方は眉を潜めながら、仲間内で耳打ちを始めた。その潜め声がやけに耳障りで、走らせる文字も怒りで歪む。おそらく取締方は今日にでも白武を連行する目的で訪れたはずだ。だが、あまりにも詰めが甘すぎる。脅せば屈するとでも思っているのか。白武は自分が見下されたような気がして、ますます腹が立った。
「分かった。今日のところは退席しよう。ただし、今すぐ下官の筆跡が分かるものを渡せ」
「良いでしょう」
白武は障子の向こうで息を殺していた下官らに、入るよう命じた。ゆっくりと障子が開き、怯えた様子でぞろぞろと中に入る。彼らは各自の席にある、書き損じの朱が入った紙を取締方に渡した。誰もが背中を丸めて青ざめた顔の中、騒ぎの本人であろうフミは、障子の向こうで背を正して座っていた。
フミは使い童なので、この書類に何かを書き込むことだけは一切無い。こっそり内密に手伝わせる仕事も、算盤を弾くことだけであり、フミが六の間で筆跡を残すことはないのだ。
白武はそれを分かって、堂々と取締方の要望に応じた。
「これで下官は全てか」
「はい」
全ての書き損じの紙を集め終え、取締方は騒がせた詫びも言わずに立ち上がる。障子の向こうにいた他の間の野次馬も、慌てて自分の持ち場に帰る。あれだけ騒々しい東院が、水を打ったように静かになった。
「さあ皆、仕事を続けよ。
白武の言葉に取締方が舌打ちをする。下品な足音を立てて障子を開けたところで、取締方の一人が廊下に正座するフミに気付いた。
「これはおまえの使い童が」
「そうですが」
フミは深々と浅葱色の集団に頭を下げた。白武は気付かれないように横目でフミを見る。動揺するなよ、察されるなよと念じる。冷静な表情の裏に焦りが走る。
「念のためだ、こいつの文字が分かる紙を持ってこい」
「失礼ですが」
白武は机上に目を向けたままで、声を上げる。
「その子は
「阿呆とな」
「読み書きも満足に出来ませぬ。使い童の仕事すらもこなせない、気も利かない、顔だけが取り柄の童です」
「顔だけだと」
取締方はフミの前に腰を降ろすと、顎を掴んで無理やり顔を上げさせた。動揺したフミの顔が露になる。腫れぼったい眠たげな二重瞼が大きく見開いた。
「使い童ならば由緒正しい家の出のはずだ。阿呆なわけあるか」
「鎮西山の村長の孤児です。生前、長から頼まれていましたので、仕方なく雇った次第です。疑うようなら戸籍禄を今取り出してみせましょう」
フミの瞳が大きく揺れる。鼻先が触れるほどの距離で見つめられ、顎を掴む男の吐息が酷く臭くて生ぬるく、思わず息を止めた。
「悪いことも思い付かないほどの阿呆ですが、それでも疑うのなら文字を書かせましょう」
「もういい」
男は顎から手を離した。フミを一瞥すると立ち上がり、廊下に唾を吐く。
「なぜ使えん阿呆を置く。使い童など成り手が溢れるほどいるではないか」
「私の話を聞いていましたか」
白武はいつの間にか手を止めて、不適な笑みで男らを見つめる。
「顔が良いからです。
からかわれていると知った取締方は大声で「ふざかるな」と一喝すると、バタバタと足音を立てて出て行った。煽られるとすぐ顔を真っ赤にする、耐性の無い阿呆ばかりだと白武は思った。
再び書面に向きなおす。フミに聞きたいことは山ほどあるが、今は周りが多すぎる。落ち着いてから聞こうと、文字が乱れて潰れた書面の下、朱で「捨」と記した。
仕事が片付いたのは、夜も深くなった頃であった。いつもは白武の仕事を手伝うフミも、今日ばかりは周囲を警戒して外の廊下に座り、主が出てくるのを待ち続けた。待ち続ける間も、フミはずっと、今日の出来事を頭の中で巡らせていた。
取締方が手にした紙は、フミがあの少女に渡したものであった。六の間で出た破棄書面を何枚か拝借し、少女に文字を教える時に使っていた。文字の練習で使った紙は、いつもなら「要らない」と突っぱねるが、あの紙は少女が唯一持ち帰ったものであった。フミ自身も、少女が殿の妻であるという確信を得てからは、不用意に証拠を残さないようにしていた。
自分がしてはならないことをしてしまったという自覚は大いにあったが、まさかここまで重大な事になるとは。自分が罰せられるなら良い、しかし、自分を救ってくれた白武が罰せられるぐらいなら、あの場で白状しようかとも何度も思いが巡った。だが、使い童の責任は主である士官の責任。白武が罰せられることは避けようがなく、フミはあの場でただ、何も起こらずに時間が過ぎるのを願い続けることしかできなかった。
「フミ」
しばらくして、障子の向こうから白武が呼ぶ。勤めが終わったのだ。続いて机上を照らす灯火が消え、ゆっくりと障子が開いた。
「待たせてしまった」
白武は、いつもと変わらない表情でフミに微笑んだ。フミが何らかの騒ぎを起こしたことを白武は分かっていたし、フミもまた、自分が騒動を起こした張本人であることを主である白武ならば分かっていると思っていた。厳しく責め立てられることも、冷たく突き放されることも覚悟していただけに、いつもと変わらず微笑む顔に、フミの中の張り詰めた糸がぷつりと切れ、涙が次々と溢れてきた。
「行こうか」
涙を拭いて立ち上がったフミは行灯に火を灯し、白武の前をゆっくり歩いて誘導した。もうこの廊下を歩くこともない。正真正銘、これが最後の務めである。雨はまだ降りやまず、行灯の灯が揺れる。辺りを白い閃光が照らせば、しばらくしてから遠くで雷鳴が轟く。軒下の廊下は雨で濡れていた。
「フミ」
雷鳴の瞬間、白武がフミの耳元に顔を寄せる。
「
「え」
「断るのか」
しばらくしてから、それが本当の誘いではないことに気付く。おそらく、白武は取締方に目を付けられている。どこで聞き耳を立てているか分からない。こうして廊下を歩いていても、障子の向こう、通り過ぎた四の間、三の間に間者がいるかもしれない。二人の寝床は別々で、白武を起こす時以外に不用意に足を踏み入れたことがない。だが二人が密着し、盗み聞きされることもなく、そして不自然に思われることもなく会話をできる機会は、もうここ以外には無いのだ。
そのために白武は、頭の悪い使い童を抱く、性格の悪い士官を演じた。
「……お誘いいただき、この上ない幸せです」
フミもまた、その芝居に乗る。
ついにすべてを打ち明ける時が来た。
「なるほど、殿の妻」
先程よりも雨脚は増し、雷鳴は絶え間ない。これは二人にとって好都合であった。同じ布団に入り、フミをあやすふりをしながら、二人は顔を寄せて会話をする。
フミは事の顛末を詳細に語った。
一年前、独立を祝う祭りの日、花火の下で少女と出会ったこと。
その少女には名前が無いこと。
文字の読み書きができないこと。
身なりからして、虐げられていること。
それからずっと、外の小屋で文字を教えていたこと。
尾行した先、半地下の牢屋に自ら入ったこと。
殿の妻なのかと尋ねたら、否定をしなかったこと。
今日、取締方が持ってきた書面は、自分が少女に文字を教えるために使ったものであること。
自分の犯した罪に、こらえきれずにフミは涙を流す。
「おまえは悪くないよ」
雷鳴の下、小声で宥める。屋根を打つ力強い雨音で、二人の会話はほとんど周囲からは聞き取りづらくなっていた。だが、念には念を入れ、演技を続ける。フミの姿を端から見れば男に泣かされる情人のように見えるが、むしろ好都合だった。
「殿に妻がいるという噂は聞いたことがあるが、噂の範疇でしかないと思っていたからなぁ」
「……申し訳ございません」
「謝ることではない。殿の妻と分かったのは、ずっと後の話だろう。お前は何も間違っていないよ」
「……すみません」
両親が死んだ時も、使い童として郷里を離れる時も、慣れない生活に心細くなる時も、フミは涙だけは決して見せなかった。だが、ついに今日、初めて白武の前で泣いた。後悔の涙であった。
「おまえは優しい。何も間違ってはいない。その優しさを忘れず、鎮西山で暮らすんだよ」
それ以上、白武は追及しなかった。これ以上話すことは無いし、あとは取締方の出方次第である。偶発的な出来事ではあるが、不貞と言うことに変わりはない。しかも非公表ではあるが、殿の妻。死罪は免れないだろう。
だが白武は、なぜか心に恐れも憂いなど微塵も感じなかった。連帯責任で罰せられる恐怖よりも、内通相手のフミが鎮西山に帰郷後も、どうすれば取締方の手を逃れることができるのかを布団の上で思案していた。
「私こそ今日はすまなかった」
「何がですか」
「お前を阿呆だの気の利かないなどと、無いことばかり言って」
取締方からの手を逃れるためにせよ、本人の前でそう評した際に白武の胸は非常に痛んだ。
「お前は本当に気が利く使い童だったよ。それこそ他の使い童を雇ってしまうと、お前と比較して可哀そうだから雇えないぐらいに」
「……顔は」
「ん?」
「……顔が良いというのは『無いこと』でしたか」
思いもよらないその返しに、白武は噴き出した。
男二人が布団に入って仲睦まじい様を見せられ、酷い雨音と雷鳴で話し声すら聞こえない。もうこれ以上ここにいても何も収穫など無いと諦めたのか、天井にいた間者の気配が消えた。それを察した白武はしばらくしてから身体を起こし、フミにも着物を整えて帰って良いと伝える。乱れた髪を手櫛で整え、だらしなく開けた襟を正す。布団の上に正座し、深々と頭を下げたあと、フミは「一つだけ尋ねたいことがあります」と言った。
「どうした、一緒に寝るか」
「いえ、そうではなくて」
「うん」
「殿の妻のことです。あのお顔は、まるで──」
翌朝には雨はすっかり止み、東院の庭を太陽が照らした。
白武は夜遅くまで考え事をしたまま寝てしまい、お陰で目覚めは悪かった。今日の昼前にはここを発つ予定であるから、フミはまだここにいる。だが、普段なら起こしに来るはずのフミがまだ来ない。それどころか、外が何やら騒がしい。また取締方が来たのかもと、ゆっくりと身体を起こして障子に手を掛けた、その時だった。
「白武!白武はいるか!」
それは、大慌てで走ってきたであろう、あの鬼瓦の五の間の士官であった。男は勢いよく障子を開け、寝床をぐるりと確認した後、ようやく足元にいる白武に気付いた。目線を合わせてしゃがみこむと、凄まじい気迫で白武の両肩を力強く握って揺さぶる。
「早く来い!大変なことになっている!」
「取締方がまた来たのですか」
「違う!!おまえの使い童が、使い童が!!」
白武は杖を突くことも忘れ、途中で倒れそうになりながらも、夜着のまま東院の六の間へと走った。前を走る五の間の士官は怒号を上げて、行く手を阻む野次馬を散らす。
夢であってくれ。
夢なら覚めてくれ。
何かの間違いであってくれ。
白武はそう願いながら、ただ一心不乱に走り続けた。
六の間の前に辿り着いた時、下官らが軒下に集まり、声を上げて泣いていた。
白武はゆっくりと、軒下を見上げた。
長い麻の紐が下がっている。
まるでこの前取り外した風鈴のように、その紐の下に何かがぶら下がっていた。
「フミ……」
六の間の前の軒下で、フミが首を吊ったまま、冷たくなっていたのである。
(続く)
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