第46話 とある少女は原因を探る
翌日レイは早朝に起床すると、すぐに着替えて雫に見送られながら家を出た。
向かっている途中にあるコンビニでゼリーなどの軽食を食べながら皆川に電話をかける。
「もしも〜し、皆川さんおはようございます」
『ああ、おはよう』
「予定通りダンジョンに着けそうです」
『そうか、それはよかった。それと本日だが予定通り一般の探索者は立ち入り禁止にしてダンジョン内には記録上誰もいない状態になっている』
「了解です」
『私達は昼からの調査になる。健闘を祈っているぞ』
そうして通話が終わり、レイは札幌ダンジョンの入り口に到着する。
いつもの職員の女の人はおらず、現在はダンジョン協会の職員が警備兼受付の役割をしていた。
レイはそのダンジョン協会の職員に話しかけた。
「氷川零です。お話は聞いていると思いますがダンジョンの調査にきました」
「氷川零様ですね。どうぞ」
レイはすんなりと中に入る事ができ、転移門で前回攻略した31階層まで移動した。
「よーし今日は何階層までいけるのかな? それとこのダンジョンは何階層まであるんだろうか……」
レイは軽くジャンプしながら準備運動をする。身体が温まってきたのでレイは次の階層へ行く為に走り出した。
もちろん今回もレイは魔力感知を展開しながら走っている。
しかし特にこれといった反応はなく、レイは順調に攻略を進めていくのだった。
そして51層に到達したあたりからレイはふと違和感を感じる。
(この階層よりももっともっと進んだ先に何か変な魔力を感じる。
すごく微弱だけどここまで届いてるって事は発生地はとてつもなく強い魔力の可能性があるな……
もしあの魔力の主と戦闘になるとするなら、何かが起こった時の為に雫ちゃんにも手伝ってもらわないとだめかな)
レイはスマートフォンを開き雫に電話をかける。
「もしもし、雫ちゃん?」
『どうしたの? 何かあった?』
「今51階層にいるんだけどここよりずっとずっと進んだ先に何か変な魔力を感じたの。
もしこの魔力の主と戦闘になった時にそいつがスタンピードの原因だった時にもしかしたらスタンピードがどこかで起こる可能性があるの。
だから私の近くで援護してほしいんだけど、私のいる階層まで雫ちゃんだけでダンジョンの攻略を進められる?」
『余裕、今から皆川さんに連絡してすぐに向かう。大丈夫安心してほしい。レイの教えの通り無理だっと思ったらすぐに撤退するから』
「分かった、私も魔力の主の元まで向かうから雫ちゃんも頑張ってね」
雫の待ってましたと言わんばかりの勢いに少し驚きながらもレイは用件を済ませて通話を切った。
「さてと、それじゃあ雫ちゃんに追いつかれないように私も頑張りますか!」
レイは次の階層へと向かって走っていくのだった。
そして時刻は午後4時になりレイは転移門を使い地上へと帰還する。
本日は63層まで攻略を進める事ができた為、結果としては上々だった。
そしてちょうど雫も帰宅すると連絡があったので、2人で一緒に歩いて帰る事になった。
帰宅途中、雫がなにやらスマートフォンを立ち止まって触っていたのでレイは何をしているか気になったので聞いてみる事にした。
「雫ちゃんなにしてるの?」
「ごめん、いまSNSで攻略の報告をファンにしてた。報告をしないとファンにぐちぐち言われてめんどくさいからたまにする事にしてる」
「へぇー人気者は大変だなぁ」
「そういえばレイはSNSは配信しかやってない。
このファンと交流できるSNSアプリやってみる? 無理に返信を返さなくてもいいし好きな時に呟く感じで投稿してもいい。
レイの自由に活動できるからおすすめ」
「ふーん、私もやったほうがいいのかな」
「私としてはレイをフォローしたいからやってほしい」
「分かったよ、家に帰ったらやってみよう」
レイと雫はその後家に帰り雫の協力でアカウントを作成した。
そしてレイのフォロー欄とフォロワーには雫が追加された。
「これで私達は相互フォローになったから、レイのアカウントが本物だっていう事がファンにわかると思う」
「私に偽物とかいたんだ」
「それはもう結構いた。でも私がフォローしていないのは偽物って日頃から言ってたから騙される人はそんなにいなかった」
「雫ちゃんって影響力すごいんだねぇ」
「これでも私は世間ではトップの探索者。フォロワーも300万人いる」
「はぇ〜、あっなんかすごい通知がなってるよ?」
レイのスマートフォンから通知音が絶えず鳴り響いていた。
レイフォロワーはアカウントを開設してから数分で1万人を超えたのだった。
レイは雫の指導の元、初めての投稿をする。
@reistella
はじめまして
────
この投稿はすぐにハートが一万を超えたのだった。
「ここから先はレイの好きに投稿するといい。写真もアップできるようになってるからダンジョンの写真を投稿するとファンは喜ぶと思う」
「あっそれいいね。記録用としてとってアップロードする事にするよ」
「でもレイは多分自分じゃ絶対にできないから写真のアップロードとか文字の投稿でもしばらく私が横について教える」
「おー助かります!」
レイは初のSNSアカウント開設をした事により、そのSNSのトレンドはしばらくの間、レイ関連のワードが埋め尽くしていた。
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