第33話 とある少女は2回目のレベル1を経験する

 今日は顔合わせだけのだったのでその後普通に授業を受け、レイは放課後に一人で渋谷ダンジョンに来ていた。

 いつもは配信をつけるが、雫が今は配信すると後々面倒だからと配信モードから録画モードに変えてくれたので現在は録画をしている。


 そしてレイは現在80階層の神殿の扉の前にいた。レイは自分のステータスを開いた。


ステータス


 氷川零ひかわれい

 (ニックネーム・レイ)


 種族・人間【半堕天】


 状態・通常

 

 レベル998 1/2


 スキル

 ≪全属性魔法【第一位階】≫ ≪戦闘術・全【第一位階】≫ ≪鑑定・全≫ ≪異空間収納≫ ≪代償の一撃≫

≪魔力感知・全≫


 称号

 ≪超絶機械音痴≫ ≪半堕天≫

 ≪第一位階に至りし者≫ ≪星渡りの旅人≫

 ≪煌星の候補者≫ ≪弟子を取りし者≫



 レイはレベルが998になってすでに3日経っていた。おそらく後一体魔物を倒せば恐らく999になるだろうと思い、レイは80階層に足を運んでいた。


「ここも変わんないな〜 さてと、ここの死神は前と一緒のヤツなのかな?」


 レイは前回と同じく、再生されていた神殿の扉を蹴り飛ばして粉々にする。


 そして以前と同じように一度斬るが、なんの感情も感じ取れなかったので以前の死神とは別物だと結論づけた。

 レイはこれ以上何も得られないと思ったので、死神が気づかない速度で首を刎ねる。


 するといきなりレイの心臓がドクンと跳ねる。


「ぐっ!?…………」


 レイは胸を押さえてうずくまってしまう。

 その後さらに動悸が激しくなり涙を浮かべた時、いきなりその苦しみがなくなった。


「はっ……はっ……」


 レイは地面に座り呼吸を落ち着かせる。 

 しばらくして呼吸が安定してきたレイは、自分のステータスを開いた。


ステータス


 氷川零ひかわれい

 (ニックネーム・レイ)


 種族・人間?【半堕天】


 状態・疲労困憊・憔悴

 

 レベル1 2/2


 スキル

 ≪全属性魔法【第一位階】≫ ≪戦闘術・全【第一位階】≫ ≪鑑定・全≫ ≪異空間収納≫ ≪代償の一撃≫

≪魔力感知・全≫ ≪空魔法≫


 称号

 ≪超絶機械音痴≫ ≪半堕天≫

 ≪第一位階に至りし者≫ ≪星渡りの旅人≫

 ≪煌星の候補者≫ ≪弟子を取りし者≫

 ≪二週目≫


 レイのステータスはレベルが1になっていた。しかし隣の1/2は2/2に変わっていて、スキルに空魔法が追加されていた。

 称号は二週目と言うものが追加されレイは非常に困惑していた。


「レベルが1に戻ってる……いや、これは恐らく称号にもある通り二週目のレベル1ってことでしょ。力もなくなったわけじゃないし、むしろさらに強くなった気がする。それにしてもまたこれをカンストするのかな……」


 レイは称号の二週目を鑑定する。


【二週目】


 この効果はレベルが500以上になって表示される。


 ピキッ


 レイの額に青筋が浮かんだ。

 レイは気を取り直して空魔法を鑑定した。


【空魔法】


 現在のレベルでは制御不可能。


「だぁぁぁぁぁ!!!」


 レイは我慢の限界で髪の毛をガシガシと掻いた。


「もういい! 帰るっ!」


 レイはおぼつかない足取りで転移門の所まで戻るのだった。


 そしてレイは自宅に帰りなんとかシャワーを浴びた。

 しかし今日は雫との晩御飯の約束があったがこの状態でいくのは不可能なので、雫に断りの電話をかけた。


『もしもし』


「あっ……雫ちゃん……ごめん今日ご飯一緒に食べるの無理だ……」


『どうしたの? すごくしんどそうな声をしてるけど、何かあった?』


「ちょっと……めちゃくちゃ今疲れてて……ご飯食べる気力もなくて」


『今家にいるの?』


「うん……そうだけど」


『ちょっと待ってて』


 電話が切れ、その30秒後に部屋の窓からノックが聞こえた。レイは窓を開けると雫が栄養補給ゼリーと水を持ってきてくれた。


「少しでもいいからこれを食べるといい」


「あっありがと〜……」


 レイはそのゼリーをすぐに食べ切るとベッドにダイブしてすぐに眠った。


 そして翌朝


 ぎゅうううう…………


「……んっ? ────またっ!? いたたたたたたた!!!」


 また雫に地獄の目覚ましをされるのだった。

 レイは昨日の疲れは全くなく、ステータスを見ても通常に戻っていた。


 雫が一旦自分の部屋に帰り、レイは朝ごはんの用意をしていると違和感を感じる。


「あれ? このキッチンこんな低かったけなぁ」


 レイはその違和感を拭い切れずに、一度鏡のある洗面所に行く。

 そして鏡を見ると明らかに変わっている箇所を見つける。


「あれ? 髪の毛の白い部分増えてる? てかそれよりも! なんか背が伸びてる!?」


 レイは身長が以前170センチあたりだったが、現在のレイはそれから3センチは伸びていた。


「こりゃ戦闘面でも誤差が出るかな……」


 レイは背が伸びた喜びより、今後の戦いの誤差をどう埋めるかを考えるので頭がいっぱいだった。


 そして雫と学校に行くために集合すると、雫が首を傾げる。


「レイ、少し背が伸びた?」


「やっぱ伸びてるよね? 多分レベルアップのせいかなぁ」


「レイは今レベル幾つなの?」


「今はね、レベル1。でもこれは一回999に到達したからこれは二週目のレベル1だね」


「やっぱりレイはすごい、私も早く追いつけるように頑張る」


「頼むよ私の愛弟子くん」


 そうして二人は他愛のない会話をしながら学校へ向かうのだった。

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