第16.5話 雫side with 視聴者
あの吹雪のことがずっと頭から離れなかった私は今日、未知の第60層から先を攻略しようと思い渋谷ダンジョンに来ていた。
≪雫が配信を始めました≫
渋谷ダンジョン61層を探索する|視聴者数5万人
『待ってました!!!』
『キターー!!!』
『雫ちゃん今日も可愛いいいい』
『無理しないでね』
「今日は渋谷ダンジョンの第61層を探索する」
『キターー!!!』
『世界初じゃない?』
『本当に無理しないでね』
「心配ありがとう。でも安全マージンはしっかり取って戦うつもりだから。それと戦闘中はいつも通りコメントは見れないからそこのところよろしく」
『了解!』
『了解』
『了解であります!』
「それじゃあ第61階層に向かう」
視聴者との交流を終えた私は転移門に行き、前回のレイドで解放した61階層まで転移門で移動した。
「さっさむっ……」
雫は一応渋谷ダンジョンの平均気温が下がっている情報を仕入れていたため魔物の素材でできた市販品よりも何倍も動きやすく暖かいシャツを中に着ていたがそれでもこの平原は寒かった。
「やっぱり何か感じる……この先に進めば何かわかるかも」
私はドローンに聞こえないほどの音量で呟く。そして少し進むと前方に騎士のような甲冑を着た人型の魔物が5体、固まって移動していた。
私は大きく深呼吸をして、一瞬で駆け寄りまずは一体の頭に剣を突き刺し、騎士は崩れ落ちる。そしてそれに気づいた別の騎士が横薙ぎを繰り出すが、それをよけ足元を切り落とし、立ち上がれなくする。
そして走ってきたもう一体を蹴り飛ばし、他の二体を真っ二つに分断する。そして蹴り飛ばされた残り一体が剣を構えて走ってくる。そしてその攻撃を防ぎ首を跳ね飛ばした。
しかしその時、後ろから先ほど足を切り落とした騎士が無理あり立ち上がり、雫に斬りかかった。
(やばい、避けれない!)
反応が遅れた雫は避けきれないと判断しなるべくダメージを減らそうと体を動かす。
その瞬間その騎士が氷漬けになった。
「えっ?一体何が……」
『なんだ!?』
『一瞬で凍ったぞ!?』
コメントも私と同じように混乱していた。私が騎士に近づきしゃがんで観察していると、
「ねえ、ちょっと携帯電話貸してくれない?」
いきなり後ろから誰かに声をかけられた。
いきなり声をかけられた私は驚いて後ろに飛び剣に手を当て距離を取る。
話しかけてきたのは黒いローブにロングスカートを履いたおそらくは女の人だった。
この出会いが後に私の価値観を大きく変える出来事になるのだった。
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