第14話 とある少女のリベンジ
日本に戻ってきてからダンジョンを攻略し始めて、2日が経っていた。レイは現在79階層を攻略していた。
「あーもうっ! 80階層まで遠すぎ! 出会った魔物全部倒してるとはいえ、71階層から昔潜ってたところより数倍大きいんですけど! あとここ暑すぎ!砂漠って何!? あーもうっ!むかつく!! 」
レイは砂漠の暑さとエリアの広さに非常に荒れていた。性格が変わって感情の起伏が少なくなったとはいえ、この暑さは彼女には限界だった。レイは2日前の失敗から魔法を自重していた。なのでその戒めとして魔法を使わずこの階層を攻略していた。
そんなレイに地面から巨大なワームが6体出現した。
「落ち着け私……敵が来るのは仕方ないんだから。ここはダンジョン……ここはダンジョン……ここ……は……」
その時、どさっと言う音と共にフードを被ったレイの頭にまるで雨のような量の砂が降りかかる。そしてどんどんと足元も砂で埋まっていったレイはというと、
ブチッ
限界だった。
「ふっふふふ、ふふふふふ。分かった……分かったよ……そっちがその気ならこんな場所、氷漬けにしてやるよ!!!」
そう言ったレイは薄く目を発光させて剣を抜く。
『≪
レイは剣を地面に突き刺した。するとそこを起点に瞬く間に地面が凍っていき、灰色の分厚い雲が空を覆い大粒の雪を降らせ始めた。
「ふんっこれは持続魔法だから、解除する魔法を打たない限りずう〜〜〜っとここは雪国だからね!ざまあみろ!」
そう言ったレイはスッキリとした顔で鼻歌を歌いながら次の階層への階段に向かうのだった。
後にこの階層は生き物が絶滅した場所として有名になるのだった。
そして79階層の最深部にて、おそらく80層に繋がってるであろう神殿のような建物と転移魔法陣を見つけた。
「やっとみつけた……もう早く終わらせてステータスとか見るんだ!!」
そう意気込んだレイはすぐさま魔法陣を起動して転移するのだった。
転移が終わりあたりを見回すと、昔とまんま変わらない巨大な廊下だった。
「もうここに来たのは一年前...いや、この世界だと半年前か。懐かしくもないけどなんか感慨深いなぁ、ここに来なかったらアイネさん達とは多分出会ってなかっただろうし」
そう言いながらレイは歩きやがて扉の前に到着した。
「よしっ!あの時のリベンジだ!」
そしてレイは巨大な扉が自動で開く前に蹴り飛ばして扉を破壊した。そしてその扉は粉々になりあたりに撒き散らされる。
そしてレイはあの時と全く変わらない死神を視界にとらえた。レイは剣をを抜き、約一年越しのリベンジマッチが始まった。
「まずは鑑定、
≪漆黒ノ
レベル400
ただ死を弄ぶ存在。鎌で相手をいたぶり、やがては首を刎ねて殺す。相手を苦しめ、その表情をみて楽しむ。
予想通りレベルが高いな、でもいけるでしょ」
レイは相手が気づかない速度で近づき、ただの魔装で死神を斬る。しかし斬った所はすぐに黒いモヤで塞がれて一瞬で再生された。
レイは死神の驚きの感情を感じ取った。
「鑑定のレベルが上がると相手の感情も読めるようになるんだよね〜 反応できなくて焦ってる感じかな?」
そういうと死神は、レイに向かって鎌を使って目に見えない速度の連撃を繰り出す。
レイはその場で前後にステップを踏み全て剣でいなす。
「前にも見たよ、それ」
レイは死神の連撃に飽き、第二位階の魔装を使い、鎌を弾きとばす。
するとレイは死神からは焦りの感情を読み取る。
「へぇ〜!焦ってるんだ!今までこんなことなかったからちょっとビビっちゃった?」
レイがそう言い放った瞬間、死神からは憤怒の感情が溢れ出た。
「あっ怒っちゃった。でもさっきまでので分かったよ、あなたじゃ私には勝てない」
レイは死神の懐に一瞬で潜り込み、下から剣を斬り上げた。
かろうじて死神は鎌で剣を受けるが鎌は真っ二つに折れ、死神の手から離れ宙を舞った。
そして距離を取ろうとする死神だったが自分の下半身が地面か生えた氷に捕まれ動けないことに気づく。
「逃げようとしちゃだめだよ。これは私のリベンジマッチなんだから私の時は首を切られる前に転移したけど、君の時は何か起きるのかな?」
レイが近づくにつれ死神からは恐怖の感情がどんどんと大きくなっていく。
「あれ?怖いの? でも君はよく相手を痛めつけて遊んでたんでしょ? 私にやったみたいに。なら自分がされても文句はいえないよね」
レイが剣を振り上げると死神はガタガタと震え出す。
「どうせ、時間が経てばまたリポップするんでしょ、その時の死神がまた君かどうかは知らないけど。私は痛めつける趣味はないから一撃で殺してあげるそれじゃあね、バイバイ」
レイは剣にノイズを纏わせ死神の首を一撃で刎ねた。死神はそのまま崩れ落ち粉になり、やがてはその粉も消滅した。
「リベンジ成功!あーやっとこれでステータスが見れる〜!長かったなぁここまで」
正直、死神を倒すことはステータスを見るための通過点だったため、レイは死神を倒した喜びよりもステータスを見れる喜びの方が勝っていたのだった。
「じゃあ記念すべき『ステータ……』ん?」
レイがステータスを見ようとした時レイの前にウィンドウが現れる。
『渋谷ダンジョン完全攻略おめでとうございます。クリア報酬として、クエストを授与いたします。
≪クエスト≫
クリア時に解放される帰還用転移門を使用せずに80階層から、第一層まで戻る。
≪クエスト報酬≫
クリア時までにこのダンジョンで得た経験値をクリア時にボーナスで贈与する
※転移門を使用した場合ボーナスは受け取ることはできません』
「はぁぁ?なにそれ!またここから戻るの?めんどくさい!でも経験値二倍かぁ……手っ取り早くレベルをあげるためにもやるしかないのか、ええいっ!やるよ、やればいいんでしょ!やってやりますよ!」
そうしてレイは片道を戻るために廊下に戻った。
「まあ、戻るにしでもまずはステータスのチェックからでしょ!」
そしてレイは念願のステータスを見ることができるため、非常にハイテンションになっていた。
「ふう……よしっ!『ステータス』!!」
そしてレイの前にステータスが表示される。
「ふむふむ…………えっ?」
ステータスに何かを見つけたレイは困惑を隠せないのだった。
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ようやくリベンジを成功させたレイですが新たなクエストが表示されましたね。まだまだ第二章は続きますので読んでいただけると嬉しいです!最近は見ていただける方も増えてきて執筆がとても楽しく感じています!
この小説が面白いと思ったら、よろしければ星三つで評価していただいたりハートで応援、小説のフォローをして頂くと、非常に励みになりますのでどうかよろしくお願いいたします!
それではまた次の話でお会いしましょう!
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