第9話 とある神様の授業が1番怖い
アイネ達に弟子入りしてから約半年が経った。ニーナとアッシュの大体の特訓に区切りが付きあとは細かいことだけになった」
そしてレイとうとうアイネに教わることになった。
レイはとアイネは今となっては通常と化した草原に立っていた。それに加えてアッシュとニーナもついてきていた。
「レイは間違えるくらい強くなったね。2人から教わったことをしっかり吸収できて、みるみるうちに成長しているよ」
「ありがとうございます!」
「そして今日から私から教えることは、実戦に関することだよ。まずは私と戦ってみよう、ちゃんと実戦のつもりでやってね。それで一からレイの改善点を伝えていくから」
「わかりました。それじゃあ行きます!」
そうしてレイとアイネの戦いが始まった。
レイは剣を抜き、アイネに向かって剣を振り抜く。レイの剣捌きは以前より比べ物にならないくらいに洗練されていた。そして十分に魔装で強化された一太刀とアイネの剣なぶつかった瞬間、黒い稲妻ともに衝撃波が草原に広がっていく。
そうした打ち合いが幾度となく続いていくうちに、レイは一つのことに気づいた。
(今気づいたけど私が本気で攻撃しているのにアイネさんはほとんど動かずに戦っている!)
そう、アイネは前後左右一歩ずつくらいしか動かずに本気のレイと戦っていたのだった。
するとアイネがレイに話しかける。
「うん、攻撃の威力も上がっているし、魔力も綺麗に纏えている。攻撃に関しては一つを除いて合格かな。じゃあ次は防御力を見せてもらおう」
そういって次はアイネの攻撃が始まった。アイネは魔装に加えさらに刀身に魔力を纏わせ攻撃する。
そして魔力の質はレイより高く、レイは剣を魔力で弾かれながらも必死にくらいついていた。
(くそっ!魔装の質が向こうの方が高いから剣を受け止めても弾かれる!しかも攻撃回数は少ないけど剣を振るスピードが異常に速い...それにアイネが着ているロングスカートで足元の踏み込みが見えない!
だから目を魔力で強化して魔力の流れを見ないと受けきれない!今は魔力だけに集中するんだ!)
魔装によってレイは現在常人の数十倍の反射神経のはずなのにアイネの攻撃をギリギリで反応することしかできない。それにアイネの着ているロングスカートが足元の動きを隠していた。
レイは魔装に加えて、目をさらに魔力で強化しアイネの攻撃を受けようとする。だがレイの魔力感知からいきなりアイネの足元が消えた。そしてアイネの膝蹴りがいきなりレイの腹部にめり込んだ。
「がはっっ」
急なダメージにレイは対応できずに、膝をついてしまう。
そしてアイネがレイに向かって言った。
「今のレイみたいに焦って魔力だけを頼りにいていると、いきなり魔力感知から反応がなくなった時瞬間的な盲目状態になるんだ。だからいつでも冷静に魔力感知と視覚のバランスを保つ練習をするといいよ。逆に視覚ばかりに頼っていると私の作戦の意中にハマることになるよ」
そういってアイネは足首まであるロングスカートをヒラヒラとする。
そうしてレイはしばらくして立ち上がりまたアイネとの打ち合いを始める。
「あとさっき言った一つを除いたって言うのはレイの攻撃には意志、この戦いだと私を倒すと言う感情を感じなかった。意思のない攻撃をするだけでは成長できない。
気持ちの問題だけじゃない、これは第一位階に至る為に必要なことなんだ。
魔力と攻撃にしっかりと自分の目的や意思をのせ戦う。そうしているとやがて魔力は変化して第一位階に至る」
そう言ってレイの剣をよけた瞬間、アイネはレイの首元に向かって振られるその時剣にノイズが走った。
レイは避けることの出来ない一撃に、
────アイネは私を殺す気だ
そう思った。
そしてアイネの攻撃はレイの首元ギリギリで止まった。
「はぁ……はぁ……」
レイこれまでの人生で一番の冷や汗をかきながら肩で息をしていた。
「どう?これが第一位階の通常攻撃だよ。まずはこれができるようになってから、森の方の魔物と戦って実践経験を積んでいこう」
アイネがレイの顔を覗き込んでそう言った瞬間。レイは緊張が解け気を失ってしまった。
────そして、しばらく時間が経ちレイが起きた頃にはもう夕方で、ベッドに寝かされていた。レイは起き上がり自分の首に手を当てる。
(あれがアイネの力。まだまだ私じゃあの人たちの足元にすら及ばない。あと半年死ぬ気で鍛錬して習得してやる)
そう思ったレイは拳を強く握り、自分自身に誓うのだった。
(でもこれから毎回あんな思いしてたら私死ぬんじゃない……?)
────そして時は流れ、レイが初めてアイネ達に出会ってから一年が経ち、修行の最終日を迎えていた。
【あとがき】
これにて第一章は終わりです!
第二章はレイがとうとう元の世界に帰ります!レイの修行の成果をそこでまずはお披露目していこうと思っていますので、よければこれからもご愛読頂けるとありがたいです!
そして勝手ながらプロローグを追加してみました!よければご覧ください!
≪追記≫
物語のタイトル、およびタグを一部変更いたしました。
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