第8話 とあるケモ耳少女は実は脳筋...?
昼食を食べ終わり、次はアッシュの授業を受けることになった。
レイとアッシュは先ほどの草原にきていた。
「それじゃあ私からは、近接戦闘を教えようと思うよ!」
「はい!よろしくお願いします!」
「よし!まずは現状把握の為に剣を打ち合ってみよう!因みにそっちは本気で殺しにくるつもりでかかってきてね。そっちが手加減しちゃうとこっちの加減も難しくなっちゃうから、間違えて斬っちゃうかもしれないからね!」
満面の笑みでそう言うアッシュにレイは戦慄の表情を浮かべていた。
(す〜ごい笑顔で何言ってんのあの子!?冷や汗止まんないんだけど!?)
そしてアッシュは腰に備えた剣を抜く。アッシュの剣は一般的な剣よりも細く刀身も1.4倍ほど長い。
その理由はアイネの剣がこれと同じ長さで、アイネに戦い方をを学んだからなんだそうだ。
剣が長い分扱いも難しくなる分、扱えると強力な武器になるらしい。
「どうしたのー?大丈夫ー?」
アッシュに呼ばれいつまでもこうしてられないと思ったレイは、剣を抜き、アッシュの方向に向かって地面を蹴った。
そして10mほどあった距離を一瞬で詰める。
アッシュに向かって剣術スキルを使い黒い稲妻を纏った剣で連撃を打ち込んでいく。
しかしアッシュは余裕の表情で簡単そうに受け流し続ける。しかもその状態で私の改善点を言い始めた。
「うん。なかなか筋がいいね、悪くない。でも剣術スキルをもっと上手く使わないとダメだね。今みたいに速く速く攻撃するんじゃなくて、剣に魔力を纏わせて一撃を重くするんだ。こんなふうに」
そう言ってアッシュは剣を受け流している途中にいきなり剣に魔力を纏わせる。すると私とアッシュの剣が触れ合った瞬間私の剣は手から離れ吹き飛び、高く空を舞ったのだった。
その光景にレイは唖然としていると、
「私がこの一年で教えるのはこんな感じの魔力を使った身体強化と近接戦闘だよ!」
アッシュは笑顔でそう言い、アッシュの授業が本格的に始まった。
「まずは、その剣っ!短すぎるよ!これからはこのアイネお手製の剣を使うこと!!」
そういうとアッシュは私にアッシュが使っているものと同じような剣を渡してくれる。
(普段の剣に比べてとてつもなく長く感じて違和感がすごい……でも攻撃の間合いは増えた気がする)
レイが剣の感触を確かめているとアッシュが次の説明に入る。
「レイは今まで剣にも身体にも魔力を纏わさずに戦っていたんだ。基本的な魔力操作は理解しているんだよね?」
「はいニーナさんに教わりました」
「なら説明はいらないね!じゃあまずは剣に魔力を纏うために剣を体の一部と思えるくらい、私と打ち合いをしよう!」
「…………え?」
「ほら惚けてないで早くやるよ〜!!」
そうして地獄の打ち合いが始まるのだった...
そうして打ち合いが始まり数時間が経ち、空が暗くなり始めた頃、やっとアッシュとの打ち合いが終わったのだった。
「今日はここまで! 結構手に馴染んできただろうけどまだまだだよ!! あと1週間くらいおんなじことやるからね!!」
「ぜぇ……ぜぇ……わかり……ました……」
そこから記憶がないが話によれば放心状態でご飯を食べてお風呂に入って一瞬で寝ていたらしい。
そして1週間が経ちアッシュの授業も次のステップに入った。
「よし! 次は魔力を体に纏う方法を教えるよ! でもこれは結構簡単で、第二位階のレイは魔力を操作できるから、すぐにできると思うよ!
まずは体の中の魔力を循環させて身体全体に魔力を流し、そして剣にも魔力を流す【
そしてレイは魔力を魔力を流す特訓を始めた。レイは第二位階に至っていたこともあり、案外簡単に習得ができた。そして空気中からも魔力を集まることができるようになったが、これはなかなかに気力を使う技術だとレイはそう思った。
「よし!やっぱりすぐにできたね!じゃあ次は敵の魔力を完璧に感じ取ること!これができるのとできないのじゃ天と地ほどの差があるからね!」
そういったアッシュは流れるように私に目隠しをする。
「あっあの? アッシュさん? これじゃあ何も見えないんですけど……」
「レイは今まで視界に頼りすぎ!戦闘は明るいところで必ずしも起こるわけじゃない。真っ暗なところでいきなり襲われたり、視界を奪われることもあるかもしれない。
そんな時に必ず役に立つよ!その時だけに限らず基本的に魔力ずっと感知できるようになっておくことが今の課題だよ!
それじゃあ始めるね目に魔力を集めてみて!」
そう言われたレイは目に魔力を集中させる。するとアッシュがいるであろう場所にぼんやり本人サイズくらいの魔力の塊を感じた。
「なんかぼんやりと魔力の塊を感じます」
「そうそう、そんな感じ!もっと集める魔力の質を高めていくと私の輪郭表情もはっきり見えるようになるよ!魔力の質を高めるのは経験と鍛錬だけだから、これから数ヶ月は魔力をより感じるために目隠し状態で打ち合うからね。さあいくよー!」
「ちょっ、ちょまっ」
そう言って容赦のないアッシュの近接訓練が始まったのだった。
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