第7話 とある少女はお勉強する②

 ニーナがアイネ達のところに行って、しばらくしてから帰ってきた。


「さっきの続きをしましょうか」


 ニーナはそう言い、魔法の授業が再開した。


「さっき第三位階までの話をしたわね。それじゃあ第二位階のことを説明するわね」


「お願いします!」


「いい返事ね。まずはレイ、第二位階の魔法を使った時どうなったか教えてくれるかしら」



「はい。私がいつも魔法を使う時は自分の手元や剣の先からしか出せなかったんですけど、

第二位階はどこからでも出せる気がしました。

 あとは魔力に黒い稲妻みたいなのが走って威力も上がり、魔力制御が段違いにしやすかったです」


「概ね正解よ。でもそれは魔力制御が上手くなっただけじゃないの。

 実は第二位階からは空気中の魔力に干渉できるようになる。

 それで自分の魔力と空気中の魔力が干渉し合うとこんなふうになるわ」


 そう言ってニーナは自分の前に空気中から魔力を集めた。その魔力はバチバチと音を立てながら黒い稲妻を周囲に纏っていた。


「これが第二位階の魔法の扱い方。第二位階からは属性の制限がなくなるから、基本属性の【火・水・氷・風・雷】なら魔法の出し方を覚えればなんでも使えるようになるわ。

 一応適正があれば副属性の【聖・闇】が扱えるようになるわ。

 私は基本・副属性全てに適応していたからなんでも扱えるわ。

 レイももしかしたら全部扱えるかもしれないわね。

 でもレイは修行の期間が一年だからまずは元々あった氷属性に特化させようと思っているわ」


「わかりました!がんばります!」


「いい心意気ね。それで最後に、人の身に許された最高到達点【第一位階】、別名≪《ノイズ》≫の説明をするわね。まずは家の外に行きましょう。見た方がわかりやすいから、動きやすいように先にあなたを治すわね≪ヒール≫」


ニーナが魔法を唱えると、私の体の傷は瞬く間に癒えていった。


「ヒールが遅くなってごめんなさいね。レイは第三位界の人だと思っていたから、第二位階の魔法は第三位階の人には負担が大きすぎるから控えていたのよね...」


 申し訳なさそうにニーナが言った。


「全然大丈夫です!それより早く外に行きましょう!」


そう言って2人は家の外の庭のような場所に出る。


 初めて家の外に出た私は辺りを見渡す。ここは丘の上で片方には遠方に広大な森がありもう片方にはおそらく私がいたであろう草原が地平線まで広がっていた。

 


そして丘を降り草原に出てからニーナの授業が始まった。


「まずは≪ノイズ≫の説明をするわね。ノイズは簡単に言うと、完全に戦闘特化の魔法よ。

 まず威力が段違い、例えばこの魔法≪アイスアロー≫をまず第二位階で撃つわね」


 そう言ってニーナはアイスアローを10メートル先ほどの地面に撃つ。すると地面に刺さった後ろ20メートルが氷漬けになった。


「これが第二位階のアイスアロー。そしてこれが第一位階の氷魔法≪絶対零度アブソリュートゼロ≫」


 ニーナが魔法を唱えた瞬間。


私の視界に



いや、これは私の目のせいじゃない、彼女の周りが実際に


その刹那、草原の見える範囲全てが



氷漬けになった。


 そこはまるで南極のただ真っ白な氷河の地表のような場所になっていた。




「どう?これが【第一位階】よ。少なくともあなたにはこの一年でこれ以上の魔法を習得してもらうつもりだから、そのつもりでがんばりなさい」


 ニーナは不敵に笑いながらそう言った。


「あと、ただ発動するだけじゃダメよ。こんなふうに制御できてから初めて習得したというから、勘違いしちゃダメよ」


 ニーナがそう言い、指をパチンとならす。すると草原は何事もなかったかのように元に戻った。



 ニーナを見ていたレイは、高まる興奮を抑えるので必死だった。


 (すごい...すごいすごいすごい!!!これがニーナの実力...絶対期待を超えて、いつかみんなと一緒に居ても恥ずかしくないくらいの強さになってやる...!)


 そう思った私は、より一層強い意志で強くなることを誓うのだった。


















 















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

とある少女は神様の教え子 〜神様に鍛えられて現代世界で楽々ダンジョン攻略〜 お昼寝 @ohirune_nana

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ