第3話

 帰り道、私の頭の中は『クラス内で如何にして標的になるか』でいっぱいだった。

 他の人への飛び火は避けたい。でなければ、私のコントロール下に置けなくなってしまう。クラスの中で、私一人にのみ攻撃が行くように。そして雪乃を、それらの輪に入らず、不当に傷つけられずに済む、安全に過ごせるような状態へ持っていくことが大切なのだ。

 クラスに連帯感も生まれるかもしれない。一体となるのは、中央委員としても好ましい限りだ。

 方法は極めて簡単。

 雪乃にあいさつする、それだけ。

 罵倒を覚悟した。

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