第78話
本来の目的も忘れて、途中で見つけてしまったペットショップに立ち寄り、それはそれはもうはしゃぎまくってしまった。
客観的に見ても主観的に見てもわたしは気持ち悪かったに違いない。
動物を見ると、奥底に仕舞われている自分でも聞いたことのない変な声が飛び出てきてしまう。
でも可愛いんだもん、仕方ないよね。隣にいた小学生の兄妹らしき男の子と女の子には、(この人やばい)という目を向けられていたけれど、その時のわたしは目の前の愛おしいこたちに夢中で、気持ち悪い自分を止めることができなかった。
きっとわたしの一歩後ろにいる真守がいちばん恥ずかしかったに違いない。ごめんね真守。でもまた絶対に来ようね。
「わ、もうすぐ始まるね!?トイレ行く時間あるかな!?」
「余裕だろ。あそこで待ってる」
「急ぎます!」
塩味とキャラメル味の2色のポップコーンとジュースを2つ。黒いトレーに乗ったそれを持つ真守が、隅っこを指差したのを確認してからお手洗いへと急ぐ。
平日のレイトショーだから、休日の昼間ほど混んではいない。お手洗いも待つことなく、すぐに済ませることができた。
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