第77話
「かっっっっ……、はあかわいいねえどしたの眠いの?そうだよねえ眠いよねえ、でも人に見られてちゃ眠れないね、はぁ、かわいいねえ食べちゃいたいなあねえ真守見て」
「見てる見てる」
「!?っ、この子たち噛み噛みし合ってるよ!?はあもうなんなのどうしたいのわたしのことを苦しいよ可愛すぎてしんじゃうよねえ真守見てる?」
「見てる見てる」
「やっっっっっ、だもうどうしようわたし本当に可愛すぎて苦しすぎて悶えて心臓がぎゅるぎゅるするしんじゃうわかる真守?」
「わかるわかる」
「ほんとに!?」
「ほんとほんと」
絶対に適当だ。
〝はいはい〟と同じで2回同じ単語を繰り返す時だいたい適当か面倒な時だもん。
だから今わたしの返事をしている真守はずっと面倒だと思っているに違いない。
……うん?面倒?たしかに今のわたしは絶賛面倒な女かもしれない。
「……もう行く?」
「ふは、いーよ。まだ時間あるし、猫のコーナー見てないだろ」
「! 見る!!」
「はいはい」
くしゅくしゅと泡立てるように髪を撫でた真守。
一般的には2回同じ単語を繰り返す時はだいたい適当か面倒な時かもしれないけれど、真守に至ってはそんなことないのかもしれない。……たぶん。
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