第59話
「あ。今日の夜ご飯なにがいい?」
「え」
「え?」
不意に思いついた夜ご飯の話題。驚いた真守にこちらが驚く。
すると真守の顔が、徐々に気まずそうな表情に変わっていく。
「今日前言ってた創立記念パーティーの日だから飯いらない日」
「あ……そういえば言ってたかも。そっか、今日だったね」
「覚えてると思って出る前に言うつもりだったわ。ごめん」
「ううん。大丈夫だよ。うっかりしてた」
たしかに聞いた。創立記念パーティーがあるって。真守の会社が主催なのではなく、親しい会社のパーティーにお呼ばれしたんだとか。
でもね、こういう日の真守は、なるべくはやく帰ってくるように心がけてくれている気がするの。
今日以外にも、社長同士の付き合いで飲みに行く日はあったけれど、『遅くなるかも』と言いながら日付が変わるまでには帰ってきてくれた。
それはわたしがいるからなのか、はたまた真守自身、飲みの場が苦手で早く帰るようにしているのか、本当のところはわからないけれど。なんとなく前者な気がしている。だって真守だもん。
だから寂しい気持ちはあるけれど、絶対に帰ってきてくれるってわかっているから平気。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます