第58話
「もう出るの?」
「あと10分後くらい」
「え!ごめんね、そうとは知らず寝ちゃってた」
「や、起こさないで行くか迷ったんだけど」
「それはだめ。行ってらっしゃいは言いたいよ」
歯ブラシに歯磨き粉をのせて、数分間しゃこしゃこしてからべっと吐き捨てた口の中のもの。
水で口をゆすいでその流れで顔も洗って、すっきりした顔で真守の隣に座る。
毎朝出勤前に飲んでいる真守のマグカップがテーブルに見当たらない。ということはすでに飲み干し片付けたあとなんだろう。
いつものことと言えばいつものことだけど、わたしももう少し、せめて真守と同じ時間には目を覚ますようにして、豆から挽いた美味しいコーヒー、さらには目玉焼き、サラダ、ハムを乗せたトーストなんて素敵な朝食を出せたら最高なんだけどな。
そんな夢はいつになっても日常にすることはできないだろうけど。
そんなことを考えて、スマホを操作する真守を特になにも考えずにじっと観察する。
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