第49話

だから、「そういうルールではなかったけど、そういう日もあったかもね」と答えた。


すると意外にも、――会話のパターン的には予想できるけれど、まさか品行方正に見えるクラスメイトはそんな返しをするはずがないと思っていた――パターン通りの答えがやってきた。




「なら俺がしようって言えば相手してくれるの?」


「え。しないよ」


「それは俺だから?」


「ううん。そういうことはしちゃだめって怒られたから」




内心驚くわたし。でもクラスメイトの表情に変化はない。


休み時間、机で伏せているわたしは、伏せているからといって常に眠っているわけではない。だからクラスメイト女子たちの噂話なんかは、耳に入りやすい。




「(……たしかになにを考えているのかわかりにくいかも)」




ていうか、わたしはなんでこんな会話に付き合っているんだろう。


ブレザーのポケットからイヤホンを取り出してシャットアウトしようかと迷っていると、次の質問で、その迷いは一時中断となった。

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