第40話
【今から帰る】
金曜日、夕方の17時半過ぎ。
真守から届いたメッセージに、うさぎがぴんと耳を立て目をまんまるにして、頭の上にびっくりマークをたくさん浮かせたスタンプを送信した。
だっていつもより早い。今から帰るってメッセージが届いてからだいたい20分もかからずに帰ってくるのに、まだご飯の支度中だ。
それに片付けが苦手なわたしの料理途中のキッチンはそれはもうひどい。綺麗好きな真守にこんな有様は見せられない。
すぐにステーキのソース作りに取り掛かり、ぐしゃあと乱れた流し台を片付けていく。せっせと手と足を動かす。
でも口角は上がりっぱなしで鼻歌は止まらない。
その理由は、今日ようやくわたしの失業給付が手に入ったから。いいお肉やいい魚、あとはお風呂上がりに真守と食べるケーキも買った。
真守、喜んでくれるかな。
真守が大好きな肉じゃがも作ったし、白身魚の大葉フライにはおばあちゃん直伝のタルタルソースも作った。
あとはほうれん草のおひたし(これはわたしが大好きで常備してるの)、お刺身がたくさん入ったパックを2つ。メインはA5ランクのステーキで、しらすの炊き込みご飯も用意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます