第22話
お風呂へ向かった真守から視線をテーブルに戻してソファの上で膝を抱える。
わたしがいることによって、真守に余計な気を遣わせてしまっている。
真守が一緒に住もうと言ってくれたとはいえ、本当に言葉通り甘えてもよかったのかな、なんてことを今さら思う。
それこそ、真守はこれから、簡単に女の子を連れ込めなくなっちゃうだろうし。
わたしはここにいる限り、真守の生活を制限しちゃう存在になるんだよね。
……早く次の仕事を探そう。そして、また新しい住処を見つけてここから出ないと。
◇
「こらゆる起きろ」
「起きてる……」
「起きてねえだろ。つかアラームまじでうるさいな?何個設定してんの」
「3分刻み……」
「はあ?」
「ごめんなさい……」
枕元でわたしを起こそうと必死になってくれているスマホさまに手を伸ばし、サイドボタンを適当に押せば音が止んだ。……もう起きる時間なんだ。まだ眠いのに。目を開くことができない。
真守の匂いを頭までかぶり再び幸せ空間へと逃げ込む。
でも幸せ空間へ半身が浸かったくらいで、次のけたたましい音が聞こえた。……もう少し寝かせてよ……。
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