第20話
首を傾げると、真守は盛大なため息を吐いた。
その態度にむっとして「なに。ちゃんと言ってよ」と言えば、「俺がうっかりゆるに欲情したらどうすんの」と予想外の答えを告げる。
「……え。ねえもしかして、わたしと真守がえっちなことになっちゃうかもって心配してるの?」
「しかないだろ」
「ええ。それは大丈夫だよ。わたしの寝顔超不細工だし。それに下着つけて寝るタイプの女だから、残念だけどラッキースケベ展開もこないよ?」
「そんなの狙ってねえわ」
まさか真守がそんなことを心配しているなんて。
わたしと真守は親しいけれど、だからって男女の関係になりそうになったことはない。
真守のことは大好きだけど、それは男としてというよりも、真守という人間そのものが好きだ。
それに真守とえっちな雰囲気になるところなんて想像すらできない。
「ふふ、真守可愛いね。考えが中学生みたい」
「じゃあそのゆるちゃんは大人としてもう少し危機感を覚えてくんない?」
「真守に襲われちゃうかもしれない危機感?たしかに真守は女の子大好き芸人だけど……」
「え、なに、俺そんな風に思われてたの」
「ん?うん。否定はできないでしょ?」
「……学生の頃の話だよな?」
「そうだよ?」
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