第19話
真守はゆるやかな美しい双眸を細め、「なあに。しおらしいな」とからかうような笑みを浮かべる。
「いつもこんなだよ」
「そ?」
「そ」
ノートパソコンをローテーブルに置いた真守が立ち上がる。
「じゃあ俺風呂入ってくるけど、部屋のもの好きに使っていいから。寝んならソファじゃなくてベッドな」
「ありがとう。ねえ本当に真守のベッド使ってもいいの?」
「俺はいいよ。ゆるがいやじゃないなら」
「わたしは真守のベッドで寝れるのすごく嬉しいけど……。真守は本当にここで寝るの?」
「うん」
〝ここ〟というのはソファのこと。
わたしがソファで寝るならまだしも真守だよ?
身長180センチ近くある真守がこのソファに寝転べば、いくら大きめのソファとはいえ脚がはみでると思う。それに寒いし風邪ひいちゃう。
「やっぱりわたしがソファのほうがよくない?ていうかそうするよ」
「〝あーゆる本当は俺のベッドで寝るのがいやだから遠回しに断ってんのか〟って思うけどい?」
「違うよ!それは捻くれすぎ。……あ、じゃあわかった。一緒に寝るのは?」
「は、ベッドで?寝るか」
「どうして?わたし寝相悪くないし、布団取ったりもしないよ。隅っこで丸まってる」
「あのな、そういう問題じゃないことくらいわかるだろ」
「そういう問題じゃないって?」
「俺は男でゆるは女なの」
「知ってるよ。だから?」
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