第17話

あのあと、すぐに警察に連絡をした。


盗まれたものが現金封筒だということもあってか、現場検証に来てくれた警察官には『まあ見つからないことが多いですよ。あまり期待しないほうがいいです』と言われてしまった。


あとは気長に警察からの連絡を待つのみだそう。




そのあとは、管理人さんのところへ話に行った。真守も一緒に来てくれた。


つっけんどんな管理人さんは、部屋を出るにあたってあるべき費用さえ納めたら問題ないと言ってくれたので、急ではあるけれど、そのまま退去手続きを進めることになった。




さらにそのあと、真守がわたしの部屋の家具や荷物を運び出す手配をしてくれると言うので、部屋を空けている間にまた好き勝手にものを持ち出されても困るし、お願いすることにした。


そもそも、ものが少ない部屋だったから、〝要る〟〝要らない〟の判断はすぐにできた。




そしてつい2時間ほど前に真守のこのお部屋に必要なもの全てが運びこまれ、ここでも真守が手伝ってくれたおかげでなんと片付けまで終了した。


全ての仕事が早すぎて、流れていくそれらを目をぱちぱちとしながら見送ることしかできなかった。



ちなみに、扉を開けようとしていた怪しい人物は真守だったらしい。


ちょうどわたしが電話をかけた時が打ち合わせの直後だったらしく、駅近くのカフェにいたこともあり、わたしの様子を見るがてらお土産(わたしの大好物近所のシュークリームだよ)を持って来てくれたんだって。


強盗犯じゃないとわかって安心した。そして、真守はどこまでも素晴らしい人間だった。

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