第16話
ただのサラリーマンでないことや、一緒にいる時にかかってくる電話には常に真守が上司の振る舞いをしていること。
普段の服装は一般庶民と変わらないけれど(失礼)、仕事終わりにそのまま会う時は、皺ひとつ見当たらないお高そうなスーツ、磨かれた美しい革靴、時計や仕事用の鞄は高価なブランド物を身につけていることなどから、もしかして真守ってすごくお金持ち?ていうか社長だったりして、なんて思っていたこともあったけれど。
「真守って社長?」
「うん。言ってなかったっけ」
「……ウン」
25歳にして社長。小さなお顔に美しく整列する全てのパーツがSランク。柔らかさを演出する澄んだ黒髪に、モデル級に長い手足。
さらにはわたしのような不幸な女をそばに置いてくれる懐の深さ。そして、神さまに気に入られし幸運の持ち主。
……なるほど。真守ってスーパー人間だったんだ。わたしとはまるで生きている次元が違う。
「……」
「なに」
「今日から真守社長って呼んだほうがいい?」
「まじでやめろ」
なんでよ。真守ってば恥ずかしがり屋さんなんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます