第14話
「……わたし、朝起きるの苦手だよ……?」
「知ってる。アラーム1時間以上鳴らしっぱなしで隣から壁ドンされてたんだろ」
「……掃除とお部屋の片付けも上手にできない」
「それも知ってる。つか掃除は俺がするからいい」
「……お料理は、まだマシなほう」
「マシってか上手いよ。俺ゆるの飯好き」
「……マッサージなら少しは、」
「ばあちゃんで磨いたゆるの特技な。ぐだぐだ言ってるけど、それはもう決定ってことでい?とにかく今日は俺んち来てゆっくり寝ろ」
立ち上がった真守の手をぎゅっと握って引き止める。
「本当に、」とまだ理由を探すわたしに、真守の反対の手が頭の上に乗せられる。
「俺がゆるをひとりにさせたくねえの。頼むよ」
その場にしゃがんだ真守と視線が交わる。切実に願いを乞うような声色を放つ。
……ずるい。そんな風に言われちゃ、断れない。
目線を彷徨わせる。けれど最後は真守にたどり着き、わたしを見据えたままの瞳にゆっくりと頷いた。
すると真守は安心したように薄く笑みを広げる。
「よし、決まりな」
けれどそんなわたしは、今日からこの真守と、一緒に住むことになった。
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