第4話
あらゆる感情が隠されることなく吐き出されている中で、わたしはひとりぽつんと棒立ちになる。
もちろんわたしだって働き手がなくなるのはまずい。
頼れる人間なんていないし。わたしの住処だって、古びたアパートとはいえそこそこの家賃だし。光熱費食費に奨学金の返済、その他諸々。
月々いただいていた手取り18万円程度のお給料がなくなるとなれば生きていけない。
すぐに新しい就職先を探さないと。
できれば正社員として雇ってほしいし、できればホワイト企業がいい。できればお給料は今と一緒、もしくは高けりゃ高いほうがいいな。
……ううん、欲張っちゃだめだね。生きていられるならそれでいい。
いろいろなハプニングを起こしてきたから、ある程度冷静な頭でいることはできる。
というより今は、ぐるぐる悩んだところでこの状況がひっくり返るわけでもないのだから、それならまずは家に帰って、もう何年もわたしと眠を共にしている毛がもけもけになってしまったお布団に包まり眠る。
それが自分の心のためにも体のためにもいちばんいい。
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