第3話

このようにとにかく運がない。


というのかなんていうのか、悪霊でも取り憑いているのかな?と思ってしまうほど、ありとあらゆる〝ああ〟を経験してきた。





――そう。


だからね、今日のこれだって、(あーあ、まただ。もしかしてわたしのせいかも。みんなごめんなさい)と思ってしまうくらいには、わたしの人生でいえばレギュラー的に起こるよくないエピソードのひとつにすぎない。




「うちってそんな経営厳しかったの……?去年新社屋になったばかりなのに……」


「倒産ってまじで当日まで知らされないんだ……」


「、やばい、電話鳴りやまないっす、どうしたらいいすか?」


「これからどうなるんだろ」


「後日お金が入るんじゃない?」


「正直辞めたいと思ってたから、辞める理由見つかって嬉しいわ」


「おい、お前さすがにいまここでそんなこと言うなよ」


「……奥さんになんて言おう……」





入社して8ヶ月。会社が倒産した。

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