第2話

例えば中学校のプールの授業中。


泳いでいたらゴーグルがずれてしまって、水がダイレクトに目の中に侵入して痛くて目を開けれなくて、さらにちょうどその地点が深い場所だったこともあり立っても足がつかず、手足を動かしてもがいてしまったのだけれど。


ようやくなにかに掴まることができたと思えば、区切られた隣のレーン内で背泳ぎをしていた男の子の水着を鷲掴んでいたこと。


どこを鷲掴んだか、というのは絶対に聞かないでほしい。




これは、たくさんあるよくないエピソードの一部分で、まだ他にも山ほどある。


それにわたしのよくないエピソードというのは、なにも他人を巻き込むことばかりではない。




基本的にわたしは、神さまという存在に見捨てられているのだと思う。


鳥の糞が落ちてくる。雨の日、隣を走った車にびしゃりと泥水をかけられる。晴れの日でも、住宅街を歩いていたらベランダでジョウロを持ったおばあさんから悪意なく水を浴びる。えとせとら。

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