you to pia【完】
伊月素乃
不幸は灰に、光で焼け落ちる
第1話
わたしが生きてきた23年。という月日の中から思い出のハイライトを作ったとすれば、きっとよくないエピソードばかりだと思う。
例えば幼稚園の劇の発表会。
わたしを含めた5人の子達とお姫さまの役をすることになって、たくさん練習をして、当日髪にかざるティアラをみんなで手作りして。
本番前、「みんな〜お着替えしようね〜!」と放った先生の言葉に、それぞれが準備に取り掛かろうとした瞬間。溜めていた緊張が爆発したわたしは、かためて用意されていたティアラの上に嘔吐してしまったこと。
わたしは気分が悪くなりみごとに撃沈。さらにその場には、わたし以外の4人の子達の泣き喚く声が延々と響いた。
例えば小学校の運動会。
玉入れ競技に出場したわたしはルール通りカゴに入るように投げていたけれど、とんでもないコントロールのせいで、棒を支えている先生の口の中に華麗なゴールインを決め込んでしまい、そのまま失神させてしまったこと。
柔らかいとはいえ、口の中に入るとなれば大きな玉。大変な惨事となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます