you to pia【完】

伊月素乃

不幸は灰に、光で焼け落ちる

第1話

わたしが生きてきた23年。という月日の中から思い出のハイライトを作ったとすれば、きっとよくないエピソードばかりだと思う。




例えば幼稚園の劇の発表会。


わたしを含めた5人の子達とお姫さまの役をすることになって、たくさん練習をして、当日髪にかざるティアラをみんなで手作りして。


本番前、「みんな〜お着替えしようね〜!」と放った先生の言葉に、それぞれが準備に取り掛かろうとした瞬間。溜めていた緊張が爆発したわたしは、かためて用意されていたティアラの上に嘔吐してしまったこと。


わたしは気分が悪くなりみごとに撃沈。さらにその場には、わたし以外の4人の子達の泣き喚く声が延々と響いた。




例えば小学校の運動会。


玉入れ競技に出場したわたしはルール通りカゴに入るように投げていたけれど、とんでもないコントロールのせいで、棒を支えている先生の口の中に華麗なゴールインを決め込んでしまい、そのまま失神させてしまったこと。


柔らかいとはいえ、口の中に入るとなれば大きな玉。大変な惨事となった。

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