12.Hope in Desolate World

私は何も分からないまま気を失っていたらしい。辺りが冷える夜明けに意識を取り戻した私は思わず、寒い、そう口にしていた。

そうか、道路か。私、道路で倒れたんだ。

自分の意識が失くなる前のことを少しずつ思い出していく。

と、どこからか自分を呼ぶ声に気づいた。

意識を取り戻してすぐということもあり耳は遠くほぼ無音状態であったがなぜだか、その声だけは鮮明に聞こえる。

「美咲!」

「蒼…!」

なんで、蒼がここに…

見ると今にも涙がこぼれそうで、それを見た私も途端に何かが込み上げる。

もう…涙が止まらない……

端からみたら2人が揃って泣いているという画はおかしなものに見えたかもしれない。

けど、それ以上に私たちの再会は意味をもつものだった。それに、どうせ私たちを見る人なんてもういないんだ。


「なんだよ、あの手紙……」涙ながらにそう言われて息が詰まった。

やっぱり見てくれてたんだ…

ほんと、ひどい手口だな、加えられたこの言葉が私は嬉しかった。私の存在が蒼の中に刻まれたんだ、と。

重い、そう言われるかもしれないがそれでよかった。

そして、しばらくいろんな話題で盛り上がった。

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