呪われた辺境伯と視える？夫人〜嫁いですぐに襲われて離縁を言い渡されました〜

第4話

「お初にお目にかかります。

エリー・ラングトンと申します。

父よりこちらに…」

「お待ちしておりました。こちらへ」

出迎えたのは一人の家令のみ。

その他にはだれの姿もない

あぁ、きっと私は歓迎されていないのね

貴族にとって政略結婚は珍しくない

嫁いだ家に馴染めずに心を病む者もいると聞く

離縁すると、女性は傷物として扱われる

例え男性側に非があったとしても…

結婚すると魔力が安定する

なので離縁した女性は再婚は義務づけられていない

魔力の暴走を防ぐ為に若い女性の結婚が優先される

子供がいなくても魔力の暴走の事例はないので、恐らく男女の営みが関係するのではないかと私は思っている。

結婚まで処女が美徳とされる貴族とは違い、平民の間では割と自由な恋愛が行われている。　まぁ魔力の強いものは貴族が多く、平民には生活魔法程度も扱えない者が大半だが

男性は魔力の安定のために、仕方なく女性を助けてあげているという奢った考えを持つものが多い。

結婚を義務づけられている女性にとって、必然的に男性優位の中で暮らしていくことは生きづらい

自分の意見を少し言っただけで暴力を振るわれたりすることもあるようだ

家令と共に誰一人すれ違うこともなく、この大きな邸の廊下を歩きながら、自分も同じように酷い扱いを受けるのではないかと想像してしまう

物音一つせず静寂な空間

とても花嫁を迎える雰囲気を感じられない

拒絶の表れ

「失礼します」

「入れ」

邸の主人の部屋に案内されて入室すると、

一礼して家令は退室してしまった

部屋に取り残されて戸惑う

緊張しながらも邸に到着した時と同じく自己紹介の言葉を紡ぐ

淑女として優雅に見えるように動作に気をつけながらドレスの裾を掴み、一礼する

「お初にお目にかかります。エリー・ラングトンと申します。クリフォード・キャンベル辺境伯様」

「そんなに畏まらなくていい。

君が、次の花嫁か…

なんだ

普通だな

もっとこう…肉付きの良い感じが好みなんだが

まぁそれでもネタにはなるな

問題ない

名誉ある#100番目__・__#にピッタリの供物だね

あぁ、名前も好きに呼ぶといいさ

どうせ#一度きりなんだから__・__#」

「あの？」

「あぁ、君は気にすることはないよ

じゃあさっそく始めようか」

黙っていれば惹かれてしまうほどの美貌の容姿のクリフォード様。

だが会話の内容が不穏すぎて胸騒ぎしかしない

不敵な笑みをうかべてためらいもなく私ととの距離を詰める。

あっという間に抱きしめられて口を塞がれていた。

驚き硬直する私を気遣うこともなく乱暴に

貪るように襲い掛かってくる

ドレスを脱がすのももどかしかったようで破かれて抵抗して逃げ出そうとしても押さえつけられてできなかった

「初夜だからって夜まで待つ必要はないよね、どうせ式もあげないんだし、抵抗しても無駄だよ」

「こんな扱いはあんまりですっ、」

「恨むなら差し出した父親を恨むんだな

貴族の務めは果たさなきゃ　だろ？」

「いやーーーー！！！」

抵抗も虚しくそのまま私の純潔はクリフォード様によって無惨に奪われた