二周目

鑑定の儀式を終え、今は訓練所に向かっている。


「お名前聞いてもいいですか?」


黒髪の女性はそう言った。


「時谷蓮です!君は?」


「加藤直美よ。これからよろしく」


「よろしくお願いします!」


「敬語はいらないわ。そんなに歳変わらないでしょ?」


「そう……ですね」


「何歳に見える?」


彼女は少し意地悪な質問をした。


「18?」


「当たり。凄いね」


直美がそう言った時、道案内をしていた兵士は立ち止まった。


「ここが攻撃魔法の訓練所です。講師が来るまで中でお待ちください」


「「はい」」


扉を開くと、体育館のような空間が広がっていた。


もう見慣れた訓練用人形が並んでいる。


「ゲームで見た事あるような光景ね」


「ですね」


そんな事を言っていると、扉が一気に開いて大きな音を立てた。


「やあやあ!勇者達よ!あたしが講師のナターシャだ!」


耳が長い白髪の少女。身長から考えると歳は12位だろうか。


「……えっと

もしかしてテンション間違えた?」


「かもです」


前回と同じように訓練をした。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「骸骨のようなモンスターについて聞きたい?」


「はい!似たような奴いませんか?」


訓練が終わった後、俺は死ぬ前に見たモンスターについて聞いた。


「スケルトン……かな?

人間が死んだ後に浄化しないと現れるモンスターだよ」


「弱点は?」


「光魔法だね!

でも、特別なスキルを持ってないと使えないね」


「まじですか……」


「……どうしたの?城に出ないか心配?」


「そんな感じです」


「大丈夫だよ!

城の敷地にはモンスターが入れないように何重にも結界はってあるよ!

それに、あたしなら余裕で勝てるから!」


少女は一生懸命に安心させようとしている。


「一つ頼んでもいいですか?」


俺がある事を頼むと、彼女は言った。


「……それは本当なのか?

冗談じゃ済まされない事だぞ」


「時間魔法で未来を見てきましたから」


彼女は俺の顔色を伺った。

すると、こう言った。


「……にわかには信じがたいことだな

だが、信じてやる

その代わり、あたしの願いも叶えろ!」


「なんですか?」


「最期まで諦めるな!」




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




俺は前回と同じく属性魔法の訓練をした。


ついでに時間魔法も練習してみたが、全く使えなかった。


「よし。後は待つだけだな」


その時、扉から音が聞こえてきた。


俺は恐る恐る近付く。


そして一気に開いた。


「時間通り来てやったぞ!」


時計によると、今は11時5分らしい。


「ありがとうございます!」


その時だった。


何かが来る。


直感でそう思った。


「蓮も感じるか?」


「はい。嫌な予感がします」


「まあ安心せい!

あたしが守るからついてこい!」


彼女は飛び出し、階段に向かった。


多分魔力が感じる方向に向かったのだろう。


「蓮!来るぞ!」


「了解です!」


剣を持ったスケルトンが階段から現れた。


その刹那、ナターシャの横から無数の氷柱が出現し飛んでいった。


氷柱はスケルトンの頭に突き刺さり、動かなくなった。


「まだ来るぞ!もし、敵が多かったら蓮も魔法を使って応戦して!」


「任せてください!」


廊下の角からコツコツと音が鳴り響く。


「まじかよ……」


一、二、三とスケルトンの数を数えていった。


だがしかし、一向に数え終わらない。


「何匹いるんだよ!」

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