心配と楽しみ
芽依からのいきなりのお誘いにびっくりした。
でも、芽依とのショッピングはとても新鮮で楽しかった。
まだお店に着く前から、どんなの買おうかな?とか白とピンク、水色の上着なんか清楚でいいよね?と。
さとるは、清楚系すきだよね?なんて、ものすごく楽しそうだ。
芽依は、なんだか新しいお洋服が着たくなったといいだし、いつもはズボンなのにとっても可愛らしいスカートを何着か試着して購入していた。
どれも似合っていて、一緒に買い物をしていて、全然退屈にならないくらいだった。
いつものどうでもいい服そうから清楚系女子へと進化した芽依。
それからというもの、なんだかここ最近…芽依がやたらと外出したがるようになった気がする…。
たまには、外でご褒美ご飯しよ?とか、運動してみようかな?ジョギング一緒にしない?とか。
なんならジムに通おうかな?なんて言い出した。
それはとってもいいことだけど…
どうしたんだろう。
芽依は、からだが軽くなったから前よりダルくないって言ってたけど…
…
心配だから、オレもジョギングに付き合うし、ジムも一緒に通うことにした。
そして…
なんなら芽依は、最近髪型までかわった。
以前は、とりあえず家では髪をおろしていて仕事のときは、一本にまとめるというスタイルだったのだが、今は…
今は…とってもおしゃれに美容室で染めてもらってアップにしたり、クルンクルンにしたりとめちゃくちゃかわいすぎる‼︎
しかも、病気のせいもあるのだろうけど…なんか体型が痩せてシュッとしたようだ。
毎日見ていても痩せていくのがよくわかる。
…
元気そうだけど、やっぱり心配だ。
一緒に夕飯を食べているときに、それとなく様子を伺っている。
「なぁ、芽依。健康的なご飯毎日食べてるけど…その…体調とかどう?無理してたりしない?めまいとか常に空腹とかあるなら、大食いしなければ好きなの食べてもいいんだからね?まぁゆっくり噛んでお水もたくさん飲まなきゃだけどさ。」
「うん、大丈夫♡でもね…あ、ううんなんでもない」
と、顔を曇らせた。
…
なんだ⁈
今のでもねってなにっ⁉︎
聞くに聞けないでしょう…
自分から話したくなるまでは、無理に聞き出すのは…心に負担になるもんね。
…
「…なぁ、芽依。」
「なに?」
「近いうちに、どっか旅行行かない?」
オレは、思い切って旅行に誘ってみた。
なんか、からだにいい癒し旅館ってのがあるらしくて、いい息抜きにもなるし、身も心もきれいになれるらしいし。
その誘いに芽依は、とっても喜んでくれた。
だからオレは、急いで予約した。
あと一カ月…
ほんとは考えたくないけど…でも…
…
芽依は、弱音をはいたりせずに一生懸命前向きに生きているように感じる。
旅館にお泊まりまでの間も毎日一緒に過ごした。
特に気分が悪かったり、ふらつきなんかもない様子だった。
旅行には、安心していけそうだ。
日にちが近くなるにつれて芽依は、ワクワクしているように見える。
旅行は、オレも嬉しい…けど…切ないよ。
芽依…
…
旅行の前日、芽依がオレにたくさん写真撮っていい思い出にしようねと張り切って、カメラを購入したと教えてくれた。
そうか。
思い出…
楽しみな反面…複雑な気持ちのオレは、朝芽依を車で迎えに行った。
すると芽依は、家の中で待っていればいいのに、アパートの外で荷物を抱えて待っていた。
「芽依……部屋で待っててくれてよかったのに。荷物重いでしょ?」
「ううん、だってワクワクしてジッとしていられなかったの。旅行に行くって、こんなにワクワクするものなんだね!もっと早くに気づくべきだったな」
といい、肩にかかっている荷物を背負いなおす芽依。
…そんなこと。
もっと早くにって…そんなのって…切なすぎるだろうに…。
「でもさ、そういう気持ちを知れてよかったな。」
「うん‼︎よかった。危うく時間の無駄遣いするたころだった〜っ」
て、にっこり微笑んだ。
ヤバい…かわいい…
ってかさ、今日の芽依めちゃくちゃ可愛すぎん?
「芽依…なんか…いつもかわいいけど、今日は特にかわいいな」
と思わず言ってしまいました。
すると芽依は、
「だって、写真かわいく写りたいんだも」
って子どもみたいな無邪気な顔をしていた。
かわいく写りたいか…
「よし‼︎かわいい写真いっぱい撮ろうな‼︎出発ーー‼︎」
オレたちは、元気よく旅館へと向かうのでありました。
続く。
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