余命三ヶ月かと思ったらまさかの…おいおい…勘弁してくださいよ
猫の集会
出不精
オレには幼馴染がいる。
昔から出不精で、とにかくゲームが大好きな人間だ。
だから、たまに心配で様子を見にきている。
「なぁ、
と、誘ってみた。
すると、
「えー、いいよー。休みの日くらいゴロゴロしないとー」
と、あっさりお断りされる始末だ。
なんなら、映画みたいなら部屋で借りてきてみよ?
買い物は、ネットでもできるよ?ってな感じだ。
…
芽依のアパートから会社が近い。
そのため芽依は、ほとんど歩かない。
ってか、会社の近くにわざわざ少し高いアパートを借りているのだ。
まったく…
「このままじゃ病気になるよ?」
「え?まぁ、そしたら仕方ないよねー」
と言いながらテーブルのスナック菓子に手を伸ばしボリボリ食べたあと、ジュースに手を伸ばし、飲み物をからだにゴクゴク流し込んだ。
「あ、飲みかけだけど飲む?」
…
「いや、いいよ…てか、太るよ?」
そのワードを聞いた途端、芽依はピクッとなった。
そしてぼそっと
「どうせあと三ヶ月しかないし…無理だよ」
って切ない顔をした。
⁉︎
は⁉︎
あと三ヶ月ってなんだよ?
無理ってなんだよ‼︎
「あと三ヶ月⁈」
「うん…」
「じゃあ、なおさらこんなとこでゲームなんかしてる場合じゃないだろ。行くよ」
「えっ?どこに?」
「そうだな…まずは食の見直しだ。歩けるか?体調大丈夫?」
「うん。」
というわけで、オレたちはからだに良い食品をたくさん買い込んだ。
芽依は、料理ができないわけではない。
でも、作るのが面倒くさいのだそう。
だからオレは、日持ちするものをたくさん作って小分けした。
これならいつでも食べられるし。
「じゃあ仕事終わったら、また明日も来るから。」
「え?明日も?」
「もちろん。だって心配だもん」
…
「さとるは、過保護かよっ」
芽依がちょっと嬉しそうに笑った。
だからオレは、
「そうだよ!だって心配で心配で…てか、もっと早く言いなよ。なんでそんな…」
…
あ、でも…言いづらいよね。
「とりあえず、明日来るからなんかあったらいつでも電話してよ?絶対だぞ。無理だけはしないようにね。」
「はいっ‼︎」
芽依は、とても良い返事でオレをお見送りしてくれた。
芽依は、いったいなんの病気なのだろうか…。
聞くに聞けないよな。
とりあえずオレにできる精一杯のことは、しようって決心した。
次の日、仕事帰りにオレは約束通り芽依の家に寄った。
途中寄り道して、新しい新鮮な野菜と果物を調達して。
芽依は、オレの足音がわかるみたいでオレがピンポンをする前にドアをガチャリとあけてくれた。
「犬みたいに耳いいな」
「まぁね」
少し自慢げなのが、なんだか可愛らしくて腹が立つ…。
そんなかわいいことすんなよ…。
どんどん好きになるだろうが…。
そうなんです。
実は、オレは芽依のことが昔から大好きなのです。
だからさ、あと三ヶ月って聞いたときは頭真っ白になったよね。
そしてめっちゃ一人で泣いたよね…。
いつかちゃんと告白して付き合って、いっぱい二人で楽しい時間共有してさ…で、いずれは…
…
でも、オレは絶対に諦めない‼︎
諦めないからっ‼︎
てなわけで、オレは毎日芽依の家に行っていたわけなんですよ。
もうさ、夕飯は必ずオレが材料買っていくわけなんですよ。で二人で用意して…なんなら一緒に食べて…休みの前の日なんかは、少しだけ一緒にゲームしてさ、芽依が寝付くの待って…それから帰るつもりだったけど、そのまま寝落ちして、朝びっくりして起きたら芽依と手繋いでて、二人で笑いあったりもした。
だから、もう週末は泊まっちゃいなよなんて言われてさ、でも…ね。
幼馴染とはいえ、一応男女の仲だからさ…ケジメっていうか…。
こうして、オレは毎日芽依の家に通い詰めたんだけど、芽依の肌艶が最近いいように思う。
「芽依、最近肌の調子いい?」
「わかる⁉︎わたしも思ったの!化粧のノリがいいんだよ」
と嬉しそうにお肌をペタペタしていた。
病院では、なんて言われているのだろう…?
てか、病院…いつ行ってるのかな…
有給つかって昼間行ってるのかな…
やっぱり、そのへんは…聞けないよね。
「調子は、どう?からだてきに」
これくらいしか聞けないよね…。
「うん、少し変化出てきたってかさ、めっちゃ変化出てきたよ?これもさとるのおかげだよ〜」
なんて嬉しそうにしてるんだよね。
そして二か月がすぎた頃…
いきなり芽依がショッピング行こう‼︎って誘ってきたんです‼︎
出不精な芽依が⁉︎みずからショッピングなんてオレはめっちゃびっくりしたよね。
続く。
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