ネコと女の子
あるところに女の子がいました。
女の子はネコが大好きでした。
でもネコにはネコの生活があることを
女の子はよくわかっていました。
なので、女の子はネコが近づいてきた時だけ
少しずつなであって、いっしょに温まっていました。
ネコと女の子は、お互いになかよしでした。
女の子はネコが大好きです。
そのことを知っているオトナがいました。
オトナは、女の子にネコの写真と映像とぬいぐるみを与えました。
そして、
ほらかわいいね。このぬいぐるみはエサも要らないし毛玉も吐かないし、いつでも好きな時に遊べるよ、
と言いました。
女の子はネコの写真とネコの映像とネコのぬいぐるみに夢中になりました。
そしてネコを少し忘れました。
女の子がいなくなったので、
オトナはネコに近づいて言いました。
キミのことを好きな人が世界中にいるんだ。
キミの写真と映像をいつでも見ることができるように
いつもカメラで追いかけさせてくれないかな。
もちろん好きなだけキミの好きなエサをあげるよ。
ネコは言いました。
思い上がるな。
猫だけが猫を作れる。
ヒトは猫一匹すらも作り出せない。
ヒトはヒトを作って、猫を崇めろ。
ネコは行ってしまいました。大人が残されました。
そして女の子はぬいぐるみに飽きてしまいました。
ぬいぐるみは動きません。
写真は鳴きません。
映像は温かくありません。
女の子はネコを探しに行きました。
ネコは、やってきた女の子をみて、
ひとことニャーンと鳴きました。
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