第74話 金剛型VSノースカロライナ級1
『ノースカロライナ級』
〈諸元〉
基準排水量:36,600 トン
全長:222.1 mm
全幅:33m
速力:28ノット
〈武装〉
40.6cm3連装砲3基
12.7㎝両用砲10基
28㍉、12.7㍉機銃多数
(搭載機)
水偵3機
(同型艦)
ノースカロライナ、ワシントン
(概要)
設計案は軍縮下で計画された14インチ四連装砲3基を搭載した35000トン戦艦だったが、ワシントン軍縮からの日本の脱退に伴い16インチ砲三連装砲3基に変更されて起工した。そのため装甲は対14インチ砲弾レベルであるが28ノットを発揮可能な本型は次世代の戦艦として期待を寄せられていた。しかし第2次ヴィンソン案が棄却されサウスダコタ級が建造中に取り置きになった今、本型はアメリカ海軍最強の戦艦となった。既に空母や護衛艦艇の増産が優先されておりサウスダコタ級以降の戦艦建造計画が頓挫した結果、需要がない本型は空母に改装するべきだと言う意見も多い。
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ウィリス・A・リー少将にとってこの戦いは待ちに待ったものであった。1番砲塔の斉射によってワシントンと合わせて6発の照明弾が敵艦隊の真上で発光しそこだけが昼間のようになる。ノースカロライナの赤いランプが灯るCIC内も一瞬だけ明るくなった。そのうちに観測員達は敵の陣形と戦力を再確認した。
「敵戦艦は4隻、いずれも
少しして来た報告に対しリーは遂にこの時が来たかと感じていた。金剛型戦艦は真珠湾の悲劇を生み出し、太平洋艦隊の戦艦群を鉄屑に変え、
ノースカロライナの艦長が敵戦艦との距離が30000を切ったことを伝えた。本来ならこの距離での射撃の命中精度は1ミリもないが、ノースカロライナとワシントンにはレーダー射撃機構が備わっていた。日本ではまだ一部の高角砲にしか使われていないものである。
「ノースカロライナは敵1番艦、ワシントンは敵2番艦。撃沈、あるいは戦闘不能にした場合は後続艦を叩け」
即座に射撃開始命令が出され3つの主砲の左砲(3連装砲の一番左の砲)が発砲する。着弾次第、修正がなされ中砲、右砲、そしてまた左砲と順に射撃していく。これは交互射撃というもので戦艦の砲撃では基本中の基本で、できるだけ時間を使わず精度を上げるためのものである。そして、およそ8回の砲撃の末、遂に敵艦を夾叉した。
「
9発のの40㎝砲弾が唸りをあげて飛翔し、敵艦を轟沈させるのがリーの脳裏に浮かんだ。
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