第67話 索敵攻撃

「敵偵察機接近!」


電探室から報告が入った。十勝型の後期艦は電探を艦橋後方に備えているのだ。


「直掩機に迎撃を命じましたが後数分で敵機がこちらを目視できる距離に入ります」


井上は正直迷っていた。こちらの放った偵察機はまだ敵艦隊発見の報を知らせた機体はないがあと30分以内には発見の報が届くだろう。だが30分とは航空機の単位で言えば200kmぐらいは進める。

敵の偵察機がいる以上敵艦隊との距離は500kmを切っているだろうから敵に先手を取られる可能性は高かった。

案の定、零戦が敵編隊を蹴散らしている間にその内の一機が電波を発したことが確認された。

つまりこちらの位置は敵に割れたということだ。数時間前から「」部隊を追撃していた潜水艦から通信が入らなくなり位置が特定できなくなっていた。だがこちらも敵潜水艦を護衛の駆逐艦が何隻か沈めており位置を把握できてないのはどちらも同じのはずだった。


夜戦でどれくらいの敵戦力を削げたのかは夜間の戦果確認が困難なことや潜水艦からの続報がないため不明であり敵空母が全て無傷の可能性も有り得た。

昨日の終わりごろに潜水艦の一隻から入った報告により敵空母は正規空母が3隻のことが分かっていたが十勝型5隻では相手にならないだろう。それでいて先手を取られるのは勝機を完全に逃してしまう。

井上は決断した。


「攻撃隊発艦せよ!目下敵艦隊の位置が判明していないため指示があるまで攻撃隊は南下し、敵艦隊の位置は発見次第通信する」


そうして5隻の空母から、70機の第一次攻撃隊が発艦したのであった。



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(第四航空艦隊(MO機動部隊)第一次攻撃隊)


十勝 零戦6機 九七式艦攻8機


吉井 零戦6機 九七式艦攻8機


筑後 零戦6機 九九式艦爆8機


太田 零戦6機 九九式艦爆8機


庄  零戦6機 九九式艦爆8機


計 艦戦30機 艦攻16機 艦爆24機 合計70機






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