暁のドゥリットル
第46話 ドゥリットル隊出撃
※補足
史実のインド洋作戦はマレー沖海戦で東洋艦隊が壊滅したため必要が無くなり、第二艦隊と第八航空戦隊がセイロン島をつつき、商船狩りを行なっただけであった。その他のサモア攻略などは史実とあまり変わらないがダーウィン空襲は第二航空艦隊によって行われた。MO作戦は4月に予定されていたが史実ではラエ・サモアへの米機動部隊の空襲で輸送船他が大きな被害を受け5月に延期された。本世界線では米空母の場所がつかめないためと、補給問題で5月に実施することが決定されたという設定。史実よりも圧倒的に艦艇数が増加しているのにもかかわらず造船所や工廠、補給設備のほうの増設が芳しくないらしい。
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日本軍の漁船(恐らく哨戒艇)をエンタープライズ搭載のF4Fが撃沈したとの報告が入った時、正直ハルゼーは迷っていた。だが判断の遅れは作戦の失敗を意味する。艦長の提言もあって命令はすぐに下された。
「ミッチャー
ジミー・ドーリットル以下80名の隊員は踵を揃え、飛行帽を片手に敬礼した。
「ああ、武運を祈る。次に会う時は英雄になって帰ってこい!」
もはや陸軍も海軍もなかった。そこにあるのは祖国を守るために戦う男たちである。
「はっ!。使命を全うしてきます!。各員、発進準備にかかれ!」
慌ただしく甲板に載せられたB25に5人ずつが搭乗していく。海は荒れてはいたが白い波は甲板までは届いていなかった。整備員が合図すると同時に先頭の機からプロペラが回り始める。皆が手を振る中、1番機は発進位置に移動する。甲板脇の信号手が旗を振るのを確認して翼の下に待機していた整備員たちはタイヤ止めを外し、一目散に退避する。機体は少しずつ前進し、やがて滑走し始めた。向かい風を受けた機体は大きく揚力を得て浮かんだ。ホーネットから遠ざかっていくと、すぐに2番機が発進した。飛行甲板ギリギリで離艦した3番機は海面スレスレを数秒飛行した後、安定して地平線に消えていった。護衛のエンタープライズのF4Fが盛んにバンクし、ドゥリットル隊が西に向かっていくのを見送っていた。作戦は始まったばかりであった。
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