第17話 猛攻の陸攻隊1

(第二次攻撃隊)

飛鷹 零戦3機 九七艦攻6機 九九艦爆7機

隼鷹 零戦3機 九七艦攻5機 九九艦爆7機

祥鳳 九六艦戦3機 九七艦攻5機 九六艦爆7機

龍驤 九六艦戦2機 九七艦攻5機 九六艦爆7機

合計 艦戦11機 艦攻21機 艦爆28機

同じ頃僅か数十キロ南では、第十一艦隊(基地航空隊)の元山海軍航空隊、美幌海軍航空隊、鹿屋海軍航空隊の九六式陸攻11機、零式陸攻72機、正式採用前の陸上爆撃機仮称「十五試双発陸上爆撃機」13機の計96機の攻撃隊が飛鷹から送られた情報を元に東洋艦隊へ向かい、美幌海軍航空隊の13機の一五試爆撃隊の搭乗員が航跡を見つけたところだった。


「艦影視認、外輪を固める駆逐艦です!」


駒場が発動機の音に負けない声で言う


「指揮機より突撃形体ツクレトツレを受信、」


機長の林がすかさず操縦桿を倒す。


「敵機接近!」


後方から敵機が10機ほど束になって押し寄せてきた。この一五試爆は小型化で搭乗員が3人しかいないのだ。後方に指向可能な機銃は1基しかない。だが何より一五試爆は473km/hと九六式艦戦に近い高速だ。しかし敵戦闘機はなかなか離れない。


「あれはフルマーじゃない、となると…」


駒場は後部座席の機銃に手を掛けながら窓越しに敵機を凝視した。ずんぐりした胴体、寸詰まりの翼、バッファローかワイルドキャットあたりだろう。となると空母艦載機の可能性が高いな。そう思ってるといきなり火箭が敵機から噴出した。編隊の各機は密集して弾幕を張ろうと必死だ。だがこちらの方が速度が速いようだ。徐々に敵機は離れていく。敵艦隊の全容が少しづつ見えてきた。駆逐艦を外輪とする輪形陣だ。中心には戦艦と思わしき艦が1隻だけ見える。前部に3基の砲塔、ネルソン型だろう。そこでふと気づいた。更にその奥の方に煙を上げている艦影が見える。その上空では無数の機影が舞っている。きっと6航戦の艦載機の戦果だ。まずは目の前の敵を叩いてからだ。そして13機の一五試爆は降下を開始した_



『E級駆逐艦』

(諸元)

基準排水量:1,350トン

全長:100.28m

全幅:10.13m

速力:36.0ノット

(武装)

12インチ単装砲2基

53.3㎝4連装魚雷発射管2基

12.7mm4連装機銃2基

爆雷20発

(同型艦)

9隻

(概要)

まあ条約中のわりと小型で平凡な駆逐艦だが松型ぐらいなら十分渡り合える性能を持つ。東洋艦隊にも数隻配属されており、小柄で使い勝手がよく、そのうえ旧式なので損失してもさほど問題にならないという便利な艦である。一部は護衛駆逐艦に改造され大西洋で戦っているが東洋艦隊に配属されている艦は改装を受けていない。ちなめに主砲は平射砲で対空戦闘は不能。

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