第7話 旅人の娯楽
その旅人は娯楽を求めて旅をしていた。といっても彼の娯楽というのは食事である。
「うーん、美味い。ごちそうさま」
彼はありとあらゆるごちそうのためならば、たとえ火の中水の中。あらゆる場所に訪れた。そして、彼の手記にはそのごちそうの評価が書かれていた。
時にめちゃくちゃ辛い料理を食べて”まるで口から火を噴くような料理”と書き記し、時にその甘さと瑞々しさの果実に”甘さと滋養を兼ね備えた果実”と書き記した。彼は食べてばっかりの旅をしていたのだ。それが彼の娯楽でもあった。
いつしか彼の酒気は世に出回り、書かれている料理を食べてみたいと奮起する旅人が大勢現れた。そして、皆が旅へと駆られた。
彼の最後の手記に書かれている”竜姫が料理した特別な食事”は誰にも理解されなかった。彼は最後に何を食べたのか? それが余計に旅へと駆られる要因となっていた。
彼はそれを知らずに旅を続ける。後の世に伝説の旅人渡渉されるまで。
400文字ストーリー 永遠在生人 @Zinn818
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。400文字ストーリーの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます