第2話 王と充血鬼
決戦前夜。
「おお、勇者よ、勇者たちよ。そなたたちが無事に帰って来ることを我ら王族貴族は切に願っておる。どうか無事に帰ってきておくれ」
勇者が戦場に赴いている頃、王城。王は祈る。
「勇者よ、どうか魔族との戦いに勝利を。この世界に平穏を」
王の間に走り込んだ兵士は告げる。
「王よ、王城に侵入者が。しかも侵入者たちは――」
兵士の頭をかち割られ絶命。
「何者だ! 何者がこの王城に入ったのだ!」
王は目を見開く。
「この者たちは、我らのた…グフ」
腹を割かれ、真っ赤な血を吐く王。
(勇者たちがいない、この頃を見計らって企てたのか。こやつら、充血鬼が)
充血鬼。憤慨、憎悪、嫉妬……行き場のなくなった負のエネルギーが肉体を侵食した姿。目が充血していることと鬼のような凶暴さになることから、充血鬼と呼称されている。
(勇者よ、すまない)
そして王は、最後の力を振り絞って、破滅の魔法を発動。一国土に『死』が降り注ぎ、消えた。
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