第6話 器たるモノ
深夜、そこはネオンに煌めく街の繁華街。
いわゆる不夜城である。
そのビルとビルの間を走る通りには、怪しげな雰囲気を漂わせた、男と女たちの姿がポツリ、ポツリと見受けられた。
皆、怪しい店の客引きや、体を売る者たち
そこには[パラダイス]と言う名の店で看板が怪しい色を放ちながら瞬いていたが、そこに映る街の雰囲気とそこに蠢く人間の姿から到底[パラダイス]からは程遠く、魑魅魍魎の闊歩する世界と言っても差し支えが無く感じられた。
その街の通りを先ほどルミコの相手をした、男、ケンジが歩いていた。
もちろん、このケンジと言う名は偽名である。いわゆる源氏名である。
その男、ケンジは通りを足早に歩くと、やがて街の中央に建つビル前で足を止め、そこにぽっかりと口を開けている、その地下へ通じる階段を降りて行った。
その階段の降り口の上には[ホストクラブ・エデン]と言う名のネオン看板が掲げられていた。だがそれは神話に出て来る楽園の[エデン]には似付かわしくも無い怪しげな色を放ち瞬いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます