第16話

四十階層に入ると、大量のきのこが生えていた。近くに石を投げる。きのこがなにかガスを放出した。

石は完全に溶けてしまっている。かなりの猛毒だ。いくつかの石を投げて分かったのが、どのきのこも半径1m内でないとガスを出さない。とりあえず馬鹿みたいに風を起こして、水分を飛ばし枯らした。そした最後はファイヤーフィールド。これで燃やし尽くす。

私「終了。」

光「あっけなかったね。」

私「ああ、忘れてた。」

桜「何を?」

私「君のことをドライアドと呼び続けてたから、名前あげるよ。」

ド「よろしいのですか?」

私「別に。そもそも拒否権を君に渡したわけではないから。」

ド「名前をつける際に多少魔力を頂ければ、絶対服従そして相手が精神体であれば、好みの姿にさせることができます。」

私「分かった。とりあえずその前に、木の実になったトレント、ドライアドを袋に移そう。」

ド「承知いたしました。」

樹「はい。袋。それより好みの姿か。敵が増えるかもしれないな。」

ド「有難うございます。貴方方と敵対するつもりは、一切ございません。」

光「違うよ。そこは心配していない。恋の敵かな。」

ド「そういうことでしたら、確かに負ける気はしませんが、男性体でも子が作れるのですか?」

桜「魔裟は何故か「性転換」のスキルをもってるから。」

ド「なっ、伝説級のスキルではないですか。」

珠「その言い方だと、スキルに等級があるってこと?」

ド「はい。どんな人でも持つことが出来る魔法や技術が一般級、少しくせがあり習得が多少難しい希少級、素質がないと持つことのできない特別級、かなり素質がありそこを伸ばし続けることで獲得可能な伝説級、そしてかなり運が良いもしくは、神に選ばれないと所持できない神話級。これらにわけられています。」

光「でも人間の国にある本には、そんな事一言も書いてなかった。」

ド「それはきっと、これを広めたのがエルフだからでしょう。」

私「そろそろ名前つけても良い?」

ド「はい。もう準備はできています。」

私「じゃあ君は今日からディアだ。」

名前をつけた瞬間ドライアドいやディアが光った。そして光が収まるとそこには、緑色の長い髪を垂らした黄色い瞳で高身長の美人な女性ではなく、緑色の髪で黄色い瞳を持った男の子だった。

デ「今日から私の名前は、ディア。素敵な名前です。」

私「それより私そんな姿になってとは、言った覚えがないけど?」

デ「魔裟斗様がきっと心の奥底でこの姿になることを望んでいたのでしょう。この姿はこの姿で良いですね。前の姿より好きです。」

私「君も魔裟斗ではなく、魔裟と呼んでいいよ。むしろそっちで呼んで。」

デ「かしこまりました。ではこれからは、魔裟様と呼ばせていただきます。」

私「それと、魔力減った?そんな気がするけど大丈夫?」

デ「じつはですね、もっていた魔力と頂いた魔力を使って、本体に受肉したため、現在魔力が微塵も有りません。しかし生活に支障はないかと思われます。」

私「ご飯は、食べるの?」

デ「この姿でも、水さえあればなんとかなります。木の実になれば一切不要です。」

私「そういうことではなくて、食べることが出来るかが聞きたかった。」

デ「そういうことですか。それならば答えは可能、できますよ。」

私「じゃあ次から一緒に食べようか。」

デ「よろしいのですか?それ以前に作っていただけるのですか?」

私「良いよ。それともう一つ。本当に私には絶対服従なの?」

デ「はい。こちら側には、拒否権が存在しません。試してみますか?」

私「じゃあ服脱いで。」

デ「承知いたしました。」

そう言って服を脱いだディア。脱ぐという命令を遂行するために、適当に服が散らかしてある。

私「なんか違う。もう良いよ服着て。」

デ「承知いたしました。」

私「どうだった?」

デ「命令を聞いているタイミングは、ほぼ無心ですね。」

私「じゃあディア君に一部拒否権を上げよう。」

デ「よろしいのですか?」

私「今どういう気分?」

デ「縛りがややゆるくなったというか、もっときついほうが良かったというか、そんな気分ですね。」

私「じゃあディア、命令と言わない限り命令として行動しなくて良い。」

デ「なんかさっきよりも縛りがゆるくなりました。もっと縛ってほしい。」

私「なんか壊れちゃた。肉体的になら全然いいけど、やってみる?」

デ「ぜひお願いします。」

私「性転換発動。ソーンバインド【アイビー】」

デ「これはこれでかなりいいかもしれません。足さえほどいていただければ自分で歩きます。」

私「転ばれても困るからとりあえず私に繋いでおくよ。」

デ「有難うございます。」

じゃあ今日中に四十五階層まで行こうか。そして階段を上り先程と同じ様に攻略をした。そして着いた、四十五階層。ここからは、スライムになるらしい。とりあえず階段に戻り、少し寝て朝ご飯を食べることにした。この世界の睡眠は、ステータスが高ければ高いほど不要らしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る