第9話

                      {天帝目線}

辺境伯は、かなり落ち込んでいるようだったので、領地に帰らせ、休むように言った。彼は文官というより、武官だから余計に落ち込んでいそうだ。さて会議をしよう。

天「町中に逃げたのをどう捕まえるか。」

アル公「私としては、なにか理由をつけて兵士の巡回量を増やし捕まえるのが得策かと。」

カル候「理由に丁度いいものがあるじゃないですか。」

天「しかしそれでは、予定をずらさなくてはならない。」

イグ公「仕方がありません。他に方法もないので。」

天「見つけ次第捕まえ、朕の前へ連れてこさせよう。」

フロ候「危険ではないですか?不意を疲れたとはいえ辺境伯殿が動けなくなるほどの魔法を使えるものです。見つけ次第殺したほうが良いのではないでしょうか。」

天「ではそのようにしろ。」

兵士「大変です。国庫の中身がほとんど消えました。」

天「何どういうことだ。」

兵士「一時間前に確認したときは、大量にありましたが突然消え去りました。」

カル候「一時間前は、丁度あの五人を捕まえようとしており、警備が手薄に鳴っていた。その隙を突かれたということか。しかし警備のものが零だった訳ではあるまい。」

兵士「申し訳ございません。あの金庫を開けるのにはかなりの時間がかかるので、警備のものをあのタイミングのみ外してしまいました。」

アル公「警備を外す前とまた配置した際に金庫を確認しなくなっていることに気づいたということか。」

兵士「どうか私一人の首でお許しを。」

天「貴様の首などいらぬ。今回の件は不問にするから、仕事にもどれ。」

兵士「有難うございます。失礼します。」

イグ公「天帝陛下どう致しますか?」

天「大公を呼べ。やつも一緒に話し合うぞ。」

大公を待つこと五分。やつは内政のトップだから、忙しのだろう。

大公「失礼します。お待たせしました陛下。本日はどのようなことでお呼びになられたのでしょうか?」

天「突然国庫が空になったそうだ。どうしたら良いと思う?」

大公「国庫が空本当なのですか。いや本当なのでしょう。少しだけであれば補填は可能だったのですが、これだけ多いと難しいかもしれません。」

天「再発行はだめなのか?」

大公「多少は大丈夫ですが、大量にやるとお金の価値が下がってしまいます。ここは税金を上げ、我々の資産で今年の分を埋め合わせるしかないでしょう。」

アル公「私は陛下の意見を押しますよ。」

イグ公「そちらのほうが手っ取り早いですから。」

天「では決を取る。再発行が良いもの。」

四人が手を上げた。

天「多数決で再発行に決まった。すまんな大公。せっかく来てもらったのに。」

大公「いえいえ。多数決なので仕方ないですよ。私は仕事に戻ります。」

天「色々頼って申し訳ない。」

                    {大公目線}

天帝陛下も貴族も、なぜこんな簡単な問題に気づけないんだ。このタイミングでのお金の大量発行は、命取りになる可能性ぐらいわかるだろう。よくあんな頭で一国の王が務まっていた。自分の利益のために、国民がどうなってもいいのか。あの馬鹿どもが。極力被害を減らすために、私の私有資産を溶かそう。これで一でも国民の負担がなくなるなら。犯人くらい探そうとしたらどうなんだ。

                    {主人公目線}


朝起きると、手紙がすべて揃っていた。そして光の指示の元お金を袋に詰めていた。

私「おはよう。」

光「おはやいお目覚めですね。」

私「寝坊したのは、本当に悪かったと思ってるよ。自分から五時に起きようって言ったから。でも私のせいじゃなくない。」

桜「おはよう。僕はちゃんと起きれたよ。」

樹「この作業結構大変だから早く手伝ってくれ。」

珠「後三十分で朝ご飯だから、終わらせよう。」

土人形五十体影人形五十体そこに私の影人形と土人形を入れて合計百六十体に私達五人で残り六四十個分の作業を行う。一セット一セットにしてくれてるから非常に入れやすい。五個ほどやったらなくなってしまった。そして少しして、朝ご飯が届いた。この宿にいるのも後五時間か。早かったな。

洋食風の朝ご飯だった。ベーコンエッグにハンバーグ、クロワッサン、コーンスープ、サラダ、ハッシュドポテト等。ベーコンエッグのベーコンもハンバーグかなり油がきつかったがなんとか食べることができた。味は結構美味しかった。食べ終わったら食休みをしお風呂にはいることにした。

私「これからお風呂に入ってくる。」

光「行ってらっしゃい。」

樹「お風呂に入りたくなるほど汗かいたか?」

珠「僕も行こうかな。」

桜「だめだよそれは。」

珠「なんで?」

光「察してあげなよ。」

やはりここも魔法を使って綺麗にしているのか、垢一つ浮いていなかった。どういう仕組でやっているのか気になるが、それより追ってはどうなっているのだろう。四十分くらいお湯に浸かって出ることにした。にしてもあれだけお金を消費しても大聖金貨が百枚くらい残ってしまったがまあいいだろう。

私「でたよ。」

そう言って腰を伸ばした瞬間{バキッ}砕け散った。非常に痛いがなんとか持ちこたえる。

光「大丈夫?凄い音がしたよ。」

私「大丈夫これからのことについて話し合おうか。」

その言葉を発した瞬間眼の前の空間が歪み何かが出てきた。 

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