第4話 脱出

もう一度自己紹介しよう。俺はイカミ ハルトだ。いま俺はキメラ…いや堕天のスラムを倒した部屋に閉じ込められている。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


部屋は高さ10m、直径500m程のドーム状の部屋になっている。

(一通り扉探したけど…何もねぇ!やっぱり隠し扉とかがあるのかなぁ…)

「そういえば…まぁ使ってみるか」

スキル発動

『探索』

頭の中にこの部屋の情報が浮かぶ。

否、脳に刷り込まれていく。

そして、出口は簡単に見つけた。

だが、位置が問題だ。

(出口は天井かぁ…泣くぞ俺…)

「こういう時に限っていい案浮かぶよな」

スキル発動

『堕天化』

今回は部分的に調整。

右手と左手を合わせて一体化させる。

一体化した肉塊は、細く長くなり、全長15m程。

長く伸びた先には蛇の頭。

(これなら行けるな)

蛇の頭を天井に向ける。

天井に蛇の頭が喰らいつき、徐々に縮んでいく。

「これぞまさに、異世界のスパ●ダーマン!!」

そして俺はついに脱出するのだった。

部屋から出たはいいものの…

俺は燃えるライオンとその愉快な仲間たちに追いかけられていた。

(やっぱりあの部屋ダンジョンの隠し部屋だよねぇ!魔物がわんさか出てくるんだが!?)

もう堕天化は解除されてる。

(攻撃手段堕天化しか無いのだが…ん?いやまてよ…Sランク倒してるから行けるくね?)

スキル発動

『鑑定』

ファイアファング

攻略難易度B

群れの場合S

遭遇地域 ダンジョン『地獄の灰』

燃える牙と、逆立つたてがみが特徴

一度噛まれたら最後燃え尽きて常人ならば軽く死ぬ。

勇者でも耐えられるかどうか。

群れに遭遇したら逃げることを推奨。

(もう少しポジティブなことかけないの!?群れ遭遇してるのだが!?

だが、この先はあの隠し部屋に通じる穴がある。そこに猫ども全体叩き落とす!よし逃げよう。)

俺の行動はファイアファングにとって異常らしく、一瞬驚きの顔を見せたが、すぐ追いかけてきた。

(背中に凄い視線と熱気を感じるな…)

俺は部屋にあと一歩でたどり着いたが寸での所で追いつかれる。

スキル複合発動

『探索』

『闇入り』

『気配消去』

ファイアファング視点だといきなり獲物が消えたようなものだろう。

プラン変更だ。レベル上げとスキル、今日の食料の為に闇討ちだ!

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